鼻の前

2002年3月11日 / 役に立たない韓国語

日本語で目に見えるものを指すとき「それは目の前にあります」と言う。
韓国語ではどう言うかというと、ほとんど変わらず以下のように言う。

   nunape id-dda:目前にある

何が違うかというと、助詞の「の」が脱落していると言うことだ。
この助詞の「の」に限らず、韓国語の助詞は日本語同様に脱落しても良いとき、悪いときというものが有るようだ。
だが、辞書を見ても文法の本を見ても理屈が書いてあるものの、絶対この時は脱落させてよいかどうかまでは、韓国語を沢山聞いたり、実際に使ってみないことには身に付かない。

これは日本語にも言えることだ。
例えばこんな例文はどうだろう。

お父さん、どこにいる?
お父さんは、どこにいる?

上の例文は助詞を省いた例、下は助詞を入れた場合だが、韓国語でも日本語でもどちらも会話ではOK。
何回か書いたが、会話における時間の経済性の問題から、助詞を省いても意味が通じるときは脱落させたほうがテンポが良いし、堅苦しくない自然な会話に聞こえると言うことだ。

さてさて、堅苦しいお勉強の話はこれくらいにしておいて、次の文はどのように訳したら良いだろうか?

   ko ape id-dda:鼻前にある

何だ?目と鼻はほとんど同じ位置にあるのに、どう違うんだ?
これは例文を上げて状況を考えないと、ちょっと理解できない例文だった。

通行人: すいません、ハンナラ銀行、どこにあります?
店の人: ハンナラ銀行?あぁ、それならこの道をあと50M進むとあるよ。
通行人: あぁ!鼻前だったんですね!

大体理解していただけただろうか?
あえて直訳したが、日本語らしい日本語としては「目と鼻の先」と言った感じであろう。
確かに物理的に目の前には無いけど、すぐ近くにある物や、目前に迫った予定などを、韓国語では「鼻(の)前」と表現するようである。

もうすぐ2年にわたって勉強してきた韓国語の学校を卒業することになった。
卒業後は個人的に勉強は続けてゆきたいと思っているものの、はっきり言って韓国語を活かした仕事ができるかどうかは怪しくなってきた。

とにかく卒業は「鼻の前」である。

<02/03/11>

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