ビデオ屋の思い出

2003年4月2日 / コラム

ある日、弟からmailが入った。
某駅の近くで「韓国のビデオ屋を見つけた」という。
弟の説明によると、某駅の近くに有る、昔ゲームセンターだった場所のすぐ近くだと書いて有った。

新しい韓国関係の店の発見か!と思ったのだが、そこは私が韓国語を習い始めたころから知っていた店で、ビデオを買った事も有る。
でも、最初行った時、物すごく嫌な思いをした・・・

●ーーーーー

私が韓国語を習い始めてすぐ、そう、あまり韓国語に自信がなかった時、ひょんなことでそのビデオ屋を見つけた。
店にはいると、50代の「くそおやじ」がビデオのインデックスを、サインペンで一枚一枚手書きで書いていた。
私は店にはいる時、「アンニョンハセヨ」と言ったんだけど、その「くそおやじ」は無反応だった。
その「くそおやじ」は私がビデオを見回していても、ひたすらインデックスを書いて、私には一向に目をやる気配すらない。

店の棚の方々に、料金システムについて表示が有ったのだが、その頃私はハングルは発音できても、語意数が圧倒的に少なく、何が書いて有るのかさっぱり分からなかった。
ちょうどその時、辞書を持っていたので、掲示していあった分からない単語を調べたら、「三本レンタル、一週間1,000円」だとか書いて有った。

当時、私は聞き取りどころか話す事もろくにできない「劣等生」だったのだが、練習をかねてそのオジサンに声を掛ける事にした。

私は勇気を振り絞ってオジサンに近づき、
「ちょ~(日本語で「あの~」の意味」っと声を掛けた。
すると、そのオジサン、いきなり?人から声を掛けられ、書いていたインデックスを書き違えたのか・・・

「ちっ!」

と舌打ちをしやがった(-_-#

なんだこいつ!と思いつつも、まだその「くそおやじ」は私を客だとは思っていないのか、返事もせずインデックスを書いていた。
私はちょっぴり、むかつきながらも韓国語で「ビデオ一本いくらですか?」と質問をした。
すると、そのくそおやじは!

「3本からだよ!」

と、吐き捨てるように言いやがった(-_-#
くそおやじが言った言葉はもちろん韓国語で、もしかするともう少し長かったかも知れないが、その場の雰囲気から「一本なんかじゃ売らねーよ。まとめて買いやがれ!」というのがいたいほど分かった。

ほんと、言葉より心だね・・・
こんな店二度と来るもんか!一昨日来やがれ!と挨拶もしないで出てきた。

それから数ヶ月経った頃だったか・・・
あの「くそおやじ」のトラウマは有ったものの、もう一度そのビデオ屋に寄って見た。
すると、店には若い韓国の人たちが3~4人いて、ビデオを借りていたりしていた。
店のレイアウトは変わってなかったんだけど、なにより違っていたのは、その店のビデオのインデックスが「手書き」じゃ無くなっていたこと!

「あれま」

と思って、あの時のくそおやじがいるのか店の中を見回したのだけど、今風の若い店員がいるだけで、おやじはいなかった。
ちょっぴり胸をなで下ろし、ビデオの棚を見て見ると、当時はまっていた韓国のコメディードラマが並んでいるではないか!

「やった!\(^o^)/」って、気分だった。
ちょうど、近くに店員がビデオの整理をしていたので、私は声を掛けて見た。

「あの、このビデオ買いたいんだけど、大丈夫ですか?」

てっきり、みんなレンタルのものだと思っていたから、そういう風に質問したんだけど、「あ、良いですよ」と答えてくれた\(^o^)/
本当に短い会話だったが、相手に私の韓国語が通じてすごくうれしかった。
さらにうれしかったのは、そのビデオを新宿の某店で買おうと思ったら、一本500円するのに、3本でなんと千円だった。

それからどういうわけだか、そのビデオ屋に行ってない。
正直言って、この手のビデオはダビング品で画質も悪いし、何と言ってもDVDに比べて非常にかさばるのが玉に瑕だ。

近いうちに、ふらりと寄って見ようと思う。

<03/04/02>

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