おばあちゃんの家

2004年5月10日 / コラム

お勧め度 ★★★

 最近、「チブロ(邦題:おばあちゃんの家)」という映画を見た。
 都会に住む小学生の男の子が、家庭の事情で「田舎の村」に住む「おばあちゃんの家」に預けられる。
 田舎の生活になじめない男の子は、おばあちゃんに「携帯ゲームの電池が欲しい」とか「ファーストフードが食べたい」だとか、散々わがままを言うのだが、おばあちゃんは耳が遠いし、字も読めないので、孫の言いたいことが理解できず、願いを叶えてあげることが出来ない。
 おばあちゃんは、畑で取れたカボチャを市場で売って、孫にお菓子や新しい運動靴を買ってあげるのだが、わがままな孫は「おばあちゃんなんかと一緒に帰りたくない」と、荷物を残して、友達とバスで帰ってしまったり、せっかく買ってあげた靴も「ふん、こんな靴ださい!」とか言って、蹴飛ばしてしまう。
 映画の中のお話だと分かっているものの、孫がお婆ちゃんを困らせるためにする、数々のいたずらを見ると腹が立って仕方ない。
 何も言わず黙々と孫の世話をするおばあちゃんの姿をみていると切なくなってくる。

 さて、「おばあちゃんの家」の話しに戻るが、この映画を見ていて、私が子供の頃、母の田舎に行った時のことを思い出した。
 「仮面ライダー」が見たかったのだが、母の田舎では放映されておらず、「もう家に帰りたい」とだだをこねて、両親を困らせたことがある。
 子供の頃「田舎」だと思っていた地域も、今では急速に都会化して、生活するうえで不便を感じる地域も少なくなっていると思うが、韓国にはまだ、日本の数十年前の姿を残している地域があり、映画に描かれている村も実在しているそうだ。
 物語は、おばあちゃんが再び、一人山奥の村に残されるというところで終わるのだが、色々な思いが交差し、思わず涙ぐんでしまった。
 男の子は「おばあちゃんの家」で何を感じたのだろうか?
 皆さんも、ぜひこの映画を見てもらいたい。
 日本人の忘れていた「何か」を思い出させてくれる映画である。

<04/05/10>

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