広告塔

2006年4月25日 / 宣教師の思考方式

 サラ金会社のアイフルが営業停止処分を受けたと聞いた。
 それにともない、広告塔であったタレント、「安田美沙子」さんへのバッシングも始まったようだ。


 アイフルと言えば、かわいらしいチワワを登場させ「どうするアイフル」のイメージ戦略が功を奏し、かなり営業実績を伸ばしたらしい。
 だけど、サラ金はサラ金である。
 某テレビ番組で、アイフルから金を借りた人間が
常軌を逸した取り立てを受けた。我々は被害者です
みたいなことを言っていて、やっぱりどこかおかしいと思った。
 だって、金を借りたのは事実なんでしょ?
 何月何日までに返して下さいねと言われて借りた訳でしょ。
 それで期日が来たら「払いません」じゃね…
 借金というのは「金を出して金を買う」ようなものである。
 ラーメンを注文して食べてしまった後、
金がないから払いません
だとか
味の割には値段が高いので払いたく有りません

なんてへ理屈を言っているようなものだ。
 業者側としても「貸し倒れ」「踏み倒し」を受けるのが一番損害を受ける。
 だから必死に取り立てをする。
 もちろん貸金業には一定のルールがあるらしいが、それでも金を回収しなければおまんま食い上げであるからして、金を返さない人間にはかなりグレーな手段をとることも考えられる。
 昔から「金貸し」というものは悪者扱いされて来た。
 金を払わなければ娘を借金のかたにつれて行き、体を売って借金を返すということも行われていた(いまも有ると思うけど)。
 あるギャグ漫画で
私は人から尊敬される金貸しになりたい
という主人公が、財産を全て人に貸してしまうという話があった。
 無利子である時払いと聞きつけ、これ幸いと「金を持って行く」人達。
 主人公は一文無しになってしまうのだが、この人から金を借りられなかった人間が
(俺はやつから金を受け取ってないのだから、)奴には貸しがある!
という一コマで終わる。
 こういう風に書くと、とてもギャグ漫画には思えない。
 本末転倒という奴だからこそ、ちょっぴり笑えるけど、今回もそんな感じですね。
 金を借りた人間が「行き過ぎた取り立てを受けた」という主張が通ったため、アイフルは営業停止処分を受けた訳だが、それで借金が棒引きになるはずは無いだろう。
 いきなり立場が悪くなったため、返済期間を延ばすとか金利を下げるとかの措置を行うかも知れないけどね。
 それでもって、へんちくりんな怒りの矛先が「広告塔」として出ていたタレントに向けられたという訳か。
お前が色目使って客を集めたのだから、お前にも責任があるんだ!
ということですか?
 そんなこと言うのは消費者としてはおかしいでしょ!?
 人の妬みそねみを利用しているへんな報道機関は、頻繁に「広告塔」という言葉を使いたがる。
 振り返ってみると、かつて「広告塔」としてマスコミからバッシングを受けたタレントが結構いた。
あなたはあの会社とグルになって金儲けをしたかったんですか?
とマスコミが突っ込む。
 そういう記事や映像を見る度、本当にマスコミというのは人の揚げ足を取ったり、人のあら探しをして生計をなしているなと感心してしまう。
 だけど、そういうタレントを祭り上げているのはマスコミである。
 そう考えるとマスコミだって共犯と変わりないのでは?
我々マスコミは、タレントの所属事務所や、配給会社から映像を流してくれと言われただけで関係ありません
みたいなことを考えているのかな?
 それだったら、広告塔だってお客さんから依頼があったので仕事を受けただけじゃないの?
 可愛い女の子や、愛くるしい子犬というビジュアルを見て
この会社は気軽に金が借りれるし、にこにこしながら返済を待ってくれる良い会社かも
なんて考える方がおかしいってことよ!
 相手はサラ金、何を今更って話である。
 こして広告塔にだまされたって言い出すのもおかしな話である。
曇りのち雨雷 その後晴れ

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