78 ビビンバ

 もし日本人が知っている韓国料理の名前を上げろと言われたら、おそらく「ビビンバ」が上位に来ると思う。
 特に最近では「石焼きビビンバ」の方が有名だと思うのだが、実は私はビビンバを1回しか食べた記憶が無い。
 そもそもビビンバとはどういう食べ物なのか?
 まずビビンバをハングル表記してみよう。

bi-bim-bbab

 順番が前後してしまうが、3文字目の「bbab」というハングルは「ご飯」を表す。

bab:ご飯

 そして前の二つは「擦る、揉む、ご飯を混ぜる」という意味を持つ動詞から派生した「ご飯や蕎麦を混ぜ合わせた食物」という名詞だ。

bi-bi-da:擦る、揉む、ご飯を混ぜる

bi-bim:「ご飯や蕎麦を混ぜ合わせた食物」

 このことから「ビビンバ」を「混ぜご飯」と訳すこともあるわけだが、日本語で言う「混ぜご飯」と「ビビンバ」は全く違う食べ物と思ったほうが良いのだろう。
 ビビンバを注文すると、ご飯の上にナムルや卵がトッピングされて出てくる。
 だが、それを混ぜずに食べてしまっては「ビビンバ」とは言えないのである。

 この「ビビンバ」とはどのようにして生まれた料理なのか?
 いくつか諸説が有るらしい。

 一つ目は戦場で簡単に作れて、簡単に食べられる食べ物として考案されたという説。
 もう一つは、大みそかに残った食材を無駄にしないため、また新しい気持ちで新年を迎えるため、残った食材をご飯に混ぜて食べたというのが始まりだという説だ。
 つまり年越し蕎麦のような意味合いが有ったということらしい。

 この話は「韓国語能力検定」だか「ハングル検定」の過去問題に載っていたものだが、問題解説をしてくれたネイティブの先生も「始めて聞きました」とおっしゃっていた。
 もし「ビビンバってどうして出来たの?」と子供心に思って、お母さんに質問しても「黙って食え!」と言われるに違いないと、授業中笑い話になった。

 今はお正月だが、お節料理にはそれぞれ意味がある。
 そのほとんどは日本語のごろ合わせ的な物であるが、子供のころはそんなことを考えて食べていなかった。
 食べ物一つ、単語一個にもドラマが隠されているというお話でした。

<01/01/02>

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