小手面考
2000年に入ってこのコーナーをどう存続させてゆくか悩んでいる。
昨年末に書いた「オタクな日常」でかなり言いたいことは言ってしまったからだ。
オタクにまつわる喧嘩ネタもない。
と、言うことで、とりあえずパソコンやオタクとは違う世界のお話を絡めてお茶を濁すとしますか(^^;
私は社会人になって剣道を始めた。
さかのぼれば高校の授業でほんの数時間だけ竹刀を振ったことは有る。
オタクの根性を叩きのめされたが、それによって今まで見えないものまで見えてきた(様な気がする)。
さて、タイトルの話。
小手面という基本技がある。
まず相手の小手を打って、その後面を打つという連続技である。
だから小手面。
練習では受けてくれる人が小手を打たれた後、半歩ほど下がって面を打たれるという練習をする。
小手とは言っても、小手を打つより竹刀を払うような練習もする。
これが実際の稽古(試合)ではどうなるか?
まず相手が本当に初心者の場合→小手を打たれた(もしくは竹刀を払われた)時点で「あっ!やられた!」とびっくりしてしまい、動けなくなった後、面を打たれる。
若干格下の相手の場合→小手を打たれたと同時に反応はするが「あっ!」と注意を引かれた次の瞬間、面が入る。
格上の場合→最初の小手を外され、自分が面を打たれることになる(^^;
連続技は二つの動作を行うため、相手の面という一つの動作の方が速いとそうなるからだ。
もちろん小手面を打つ人間のレベルにもよる。
0.2秒程の間に二つの動作を行われたら訓練を積んでいない人間は何をされたのか全く解らないのが普通である。
車を運転しているとき、突然人が飛び出してきたとして、それに気付いてブレーキを踏むまで0.5秒ほどのタイムラグが有るというのだから、わずか2m程の間合いから、いつ飛び出してくるか解らない0.2秒の世界というのは結構シビアなものなのだ。
それをどう判断するかといえば、到底頭で考えて反応するなんて事はできっこない。
自然に体が動くような訓練をするのだ。
やって見せろって?
だめだめ・・・体重が増えすぎて足が動きませ〜ん♪
つい先日のこと。
夜勤についていた午後10時頃、会社の前が大変なことになっていた!
消防車が10台ほど、パトカーが4台ほど集まってきているではないか!
最近放火が流行っているとテレビで観たばかりなので、直感的に「大火事」を想像して騒然となった。
しかし・・・火の手は見えないし、煙も見えない。
何が有ったんだ?
すると消防車がマイクでこんなことを言っていた。
「ただいま○×丁目△■番で火事があったと言う通報が有りました。今のところ火事ではないようです。通報した方は出てきて下さい」
やじ馬に来ていた近所のおばちゃんが面白い?話を聞いてきた。
「全くこんな夜遅く、迷惑な話よねぇ〜。なんでも車に乗っていた人が、遠くに見えるここいら辺が、赤く見えたんで火事だと思って電話したんだって。」
迷惑な話であるが、とりあえず電話1本でこれだけの消防車と、パトカーが駆けつけて来るというのは、日本もまだまだ捨てたもんじゃないなとは思う。
そういえば最近まで面白いコマーシャルをやっていた。
新聞を読んでいるオジサン、窓から煙が入ってきたので「隣のおばちゃんさんま好きやからなぁ」とつぶやく。
煙が尋常ではなくなり、これは魚の煙ではない、火事だ!と驚く
おばちゃんの家に入ったら、真っ黒焦げになった魚をもって「食ってくか?」
ちゃんちゃん。
つまり、最初の「煙」の認識が有ってそれを「魚の煙」か「火事の煙」かを判断、真相は「魚の煙」であったので笑い話になったということだ。
私の勤めている地域に変な人が多いと言うことを、以前書いたことがあるが、火事に関して苦笑いしてしまうエピソードを耳にした。
1 煙が出ていたので火事だと思って119番
2 消防車が来たけど調べてみたらバルサンだった
1 煙が出ているので火事だと思って119番
2 消防車が来てみてびっくり!そこはお風呂屋さんの煙突から煙がでているだけだった
おいおい・・・
それはあまりにも税金の無駄じゃあ〜りませんか?
そりゃ実際には消防署や警察が駆けつけてみないと解らないかも知れません。
お風呂屋が火事になっているかも知れませんし・・・
それより「煙」→「火事」と直結する安直な考え方は不思議です。
コマーシャルのように「煙」→「さんま」or「火事」→煙が多すぎるから「火事」と言うような判断はつかないもんでしょうかね?
バルサンの様な殺虫剤を知らない人もいるかも知れないけど、あの煙というのは火が燃えるような匂いとは全然違います。
それより最初の現象の判断として複数の可能性を考えられないのか?という疑問が有ります。
小手面じゃないのですから、もう少し、ほんの数秒よく見ればいいのに、なぜ火事だと判断したのか?
赤く見えたから?
煙がたちこめていたから?
それが自分の家の中で起こったことなら、もっとしっかりと見るのでしょう。
でも他人のことだからよく見ないし、自分に振りかかってくるのが嫌だし、119番するのはタダだからとりあえず呼んでおこうと言う考えなのでしょう。
欧米では警察も消防もお金がかかるらしいですね。
どういう基準でお金を払うのか解らないですが、ペットが木から降りられなくなったのをはしご車が出て助けたという、馬鹿馬鹿しいお話し、いや、美談がよくテレビで放送されています。
飼い主は「お金を払ってもいいんです。この子は私たちの家族なんですから」と続く。
火事だと思ったらなぜ自分達で消そうと考えないのか?
怪我するのが嫌だから?
そんなに燃えてるのかい?
自分で確認したのかい?
5年前に起こった阪神大震災では大勢の方が犠牲になったと聞いているのだけど、必死になってがれきの中から救助をしている人の横で、救援物資を求めてぼけ〜っと突っ立っている人が沢山いたとか聞いています。
なんだか書いているのが虚しくなってきました。
私は昔、上のような署名を使っていた。
縦にヘの字が重なった「二重縦括弧」は機種依存文字であり、文字化けを起して「二重縦括弧」では無くなってしまう。
この署名に関して以前私は事件を起こしている。(「機種依存文字事件」参照)
インターネットやメールでは機種依存文字を使わないのがルールである。
しかしなぜそれがルールなのか?
文字化けするから→意味が通じなくなる
サーバーがクラッシュする→実際にクラッシュすることなど有るのか?
ほとんど感情的と言ってよいような攻撃に合い、私は書名を変えることにした。
だけど私はこの「二重縦括弧」を使った署名を使うのにかなりの間実験を行っており、実際に問題がないことがわかったから相当長い期間この署名を使ってきたわけだ。
私の考えは・・・
機種依存文字を使う→文字化けする→文字化けしても不都合はない→サーバーにも問題ない→誰も気付かない事の方が多い
と、言う結論にいたって、ほとんどいたずらと言ってよいほどの行為だった。
だけど正義の味方や評論家めいた批判をする人の中には、下記のように非常にこの機種依存文字に過敏に反応する人がいたわけだ。
「相手の環境が自分の環境と異なることを想像できない」もしくは、「そう言った知識すらない」人間に、いったい何が語れるのだろうか?
煙突から煙が出ていたら、火事だと思うような人にはそう見えても仕方がないけどさぁ。
小手ががら空きだから、喜び勇んで勝ち誇った気分になったのだろうけど、小手をよけられて面を打たれることまでは想像していないようだ。
技が通じなくてもまだ試合は続いている。
自分じゃ面が入ったと喜んで振り返ったら、審判が旗を揚げていなかったなんて事は良く有ることだ。
次はどうしたら良いのか?
相手に自分の修業した技は通じるのか?
そんなこと試合中は考えられません。
頭でっかちの人は考えるようなことをするのだろうけど、考えても仕方ない世界がある。
考えるのは試合が終わった後。
とっさの時、自然に出てくるのが本当の力なのだ。
判断に磨きをかけるのは、日ごろの鍛練だけ。
勝って兜の緒を締めよ。
今年はどんなことが有るのだろう・・・
<00/02/28>
<00/04/17>若干修正
※ このコラムは推敲中の産物であり、加筆訂正する可能性があります。
Copyright © 1998- "Senkyousi", All Rights Reserved.
E-Mail : na_neun_seon_gyo_sa@hotmail.com