韓国語を習い始めて2年目の話。
月曜日の一時間目の授業では
:週末はどのように過ごしましたか?
と言う質問をされるのが恒例行事であった。
クラスメートの「猿助」君は会話が苦手。
週末の説明を韓国語で言うのが面倒なのか、はたまたいつもそうなのか「週末はパチンコ屋にいました」と言っていた。
そして「何万円負けました」という落ちがつく。
いい加減、同じ事ばかり言っていないで学習しろよ!と心の中で思っていた。
世の中にはパチンコで飯を食っている「パチプロ」という職業が有ると聞いているが、プロでなくてもそれなりに勉強をすれば大負けはしないという話も聞いたことが有る。
その努力もしないで、自分の運だけを信じてパチンコ台に向かうなんて、ただ時間とお金の無駄だと思っている。
さて、韓国の歌謡曲を聞いていると「パチンコ!」と聞こえる歌が結構有った。
韓国語を勉強し始めたばかりで、聞き取りがほとんどできず、韓国語の音を日本語として拾ってしまった、一種の空耳である。
「あれ、確かにパチンコと言っているよな?」と思って歌詞カードを確認してみると・・・
ba-chin geod
恋人に対して「捧げた物、貢いだ物」と言う意味の文章であったのだ。
私はこのことから、パチンコとはパチンコ屋にお金を「捧げる、貢ぐ」遊びと言う意味だったのだな!なんて言葉遊びを考えた(^^;
でもこれではちょっと洒落が聞いていない。
もう少し手直しをしよう!
ba-chin god
「捧げたところ、貢いだところ」
こちらの方が日本語でも「パチンコ」の実情に近いだろう。又
ba-chin geo-ya
「捧げたんだろ、貢いだんだろ」
こちらはもろに「パチンコ屋」と聞こえる。
ん〜ん。確かにパチンコやパチスロが面白いと言う人は沢山いるが、個人的に機械を相手にして何が面白いのだろうと不思議に思う。
昔は球を一発一発指ではじいていたが、今はハンドル(と言うのだろうか?)をひねるだけで球は自動的にはじかれて行き、何も考えないでやれば、1万円位数十分足らずで無くなってしまうと聞く。
パチンコが面白いと言う人の心には「パチンコ台に座って、ハンドルをひねるだけで金が儲かるからやめられない」と言う人もいる。
だが、パチンコ業界は1兆円産業だという話は有名だ。
それだけパチンコ屋が儲かっているのだから、パチンコ屋に貢いでいる人がいるという訳。
日本に来てパチンコに夢中になったという韓国人に「パチンコ屋は貢ぐところだ」と、今回紹介したことを紙に書いたことが有るのだが「パチンコのスペルはですよ」と軽く受け流されてしまった(^^;
ちなみに、パチスロは
seul-rod
である。
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「週末にパチンコやっていました」とばかり言っていた猿介君は、会話よりテストの点数の事が気になるらしく、授業中「この前のテスト何点だった?」としつこく聞いてきた。
あまりにしつこいので無視をしていたら、猿助君は機嫌を損ねたらしく、私のことを「オタク」だとか「パソコンだけの人間なの?」と薄ら笑いを浮かべながら馬鹿にするようになったのだが・・・
2年後、何の因果か、彼と一緒に会話の卒業試験を受ける事になった。
授業中も試験勉強にいそしんでいたかれは、ペーパーテストではそれなりの点数を取っていたのだろうが、それまでの韓国語に対する姿勢が最後にでたのだろう。
彼は簡単な質問も聞き取れず、答えもはちゃめちゃ。
パチンコにつぎ込んでいる無駄な時間を、韓国語の勉強にあてていたら、こんな結果にならなかっただろうにと思っていた。
彼が今も韓国語を勉強しているかは定かではない。
<01/07/19>
<04/10/17> 書き直し
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