最近韓国の歴史のようなお話を翻訳した。
そこに「車」という単語が有った。
su-re:車
車と言っても「自動車」の事ではない。
荷物を運ぶための「大八車」の様な道具のことである。
ネイティブの先生は、この単語を翻訳するとき、逆に私達に質問をした。
「車って言ってもピンと来ませんね・・・日本語で何と言ったら一番しっくり来るのでしょうか?」と。
私を含めて多くの現代人は、車と聞くと「自動車(じどうしゃ)」を想像してしまう。
だが、この「車(くるま)」という元々の意味は、板に車輪がついた物を運搬するときの道具をさす単語なのだ。
その「車」が人間の力でなく「自らの力で動く車」から「自動車」と命名されたと容易に想像できる。
しかし「車(くるま)」と「自動車」の関係という歴史的背景を忘れるほど、車という単語から想像されるイメージが大きく変わってしまったということだろう。
そもそも中国から漢字が伝えられて来る前から、日本にも「くるま」という名前の道具が有ったのだろう。
そして、その「くるま」という単語に当てはまった漢字が「車」であったわけだ。
日本の漢字読みに「音読み」「訓読み」があるが、音読みの方は日本の固有の言葉が残っていると考えるとしっくり来る。
韓国語では自動車にあたる単語は、漢字で「車」にあたるハングルを使う。
cha:車
つまりこれは韓国の「訓読み」ということだ。
「言葉に歴史有り」というお話でした。
<02/01/30>
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