寿司

 韓国語で「刺し身」を表す単語は「膾(なます)」という漢字語だ。

hoe:膾(なます)、刺身

 それでは、一口サイズのご飯の上に、刺身を乗っけた食べ物、お寿司を韓国語でなんと言うか?

 答えは「酢飯」という漢字語なのだ。

cho-bab:酢飯=寿司(鮨)

 この単語を覚えたのは、5年程前の話し。
 その時、先生は「お稲荷さんと混同するかもしれないから、正確には膾酢飯と言った方が良いです」とおっしゃっていた記憶が有るのだが・・・

hoe-cho-bab:膾酢飯=寿司

yu-bu-cho-bab:油腐酢飯=いなり寿司

 私が韓国語を習い始めたのは、まだワールドカップ開催前だったし、まさか「韓流」ブームなどが訪れるとはとても思わなかった。
 そして、韓国では今「日流」ブームが起こっており、日本食を扱う店も増えているとか。

il-ryu:日流

 先日見たテレビでは、日本風の居酒屋が大ヒットしているとか、日本風の屋台で、たこ焼きが売られているのを見た。
 韓国は表向き、かたくなまでに日本文化を排除しようとして来たが、先日の日本文化の完全解放先に紹介した寿司=「酢飯」という言葉も、今では日本語の発音通り「スシ」と表記されている。

seu-si:寿司

 「今○×が流行っている」という表現も、新しくなったようだ。
 最初習ったのは「○×が流行している」という表現。

yu-haeng:流行

○×   ○×ga yu-haeng-ha-go id-dda:○×が流行している

 現在習っている学校の先生は、かなり若い女の先生で、最新の韓国語を教えて下さる。
 最近習った「流行」の表現は二つあった。
 一つは、英語の「ブーム」を使った表現。

   il-ry bum-i saeng-gi-da:日流ブームがおきた

※ 動詞を変えた表現として

   il-ry bum-i il-da:日流ブームがおきた

 もう一つは「○×の風が吹いた」という表現だ。

   il-ryu ba-ram-i bul-eod-dda:日流(の)風が吹いた→日流ブームが吹き荒れている

 手前味噌では有るが、韓国語を勉強し始めた最初の年、弁論大会のようなものが行われ、私もクラス代表として出場することになった。
 その時のお題目は「流行とはなんぞや?」というものだったのだが、8人中3位入賞をした(^^;
 入賞したと言っても、必死で原稿を丸暗記しただけで、発音もめちゃくちゃ。
 人が話している韓国語も全く理解できなかった頃の話しなので、あまり偉そうなことは言えないのだが、当時はもの凄く嬉しかったし、もっと韓国語を勉強してやろうと言う励みにもなったと思う。

 さて、お勉強のことばかり書いていてはつまらない。
 「日流」ブームはさておいて、韓国語で「さしみ」と発音されるものが有るのだが、それは何だろう?

sa-si-mi

 この「 sa-si-mi」とは、日流ブーム、日本食ブームがくる前から使われていた、韓国に根づいてしまった日本語の一つであるようだ。
 もちろん、日本語と同様に刺身という意味もある。
 また「刺身包丁」という意味を持つのだが・・・

sa-si-mi-kal:刺身包丁

 韓国のコメディードラマ「コルベンイ」の中で、ヤクザの親分がこんなことを言っていた。

「ナイフにも色々ある。絵を描く人間もナイフを持っているが、我々ヤクザが持っているナイフはsa-si-mi・・・」

 なるほど。
 「sa-si-mi」とは元々は刺身を引く為の包丁という意味であることは間違いないとは思うが、ヤクザが持つ「ドス」とか「匕首(あいくち)」のことを差す隠語のようである。

 言葉は生きている。
 私が韓国語を勉強して来た、わずか5年で韓国と日本の関係は大きく進歩した。
 そして、今回紹介したように、常に新しい単語や表現が生まれている。
 今年は「日韓友好40周年」の年だそうだ。
 また新たな「役に立たない韓国語」のネタを収集するため、今年も色々なところに首を突っ込み、私なりの視線で勉強してゆきたいと思う。

<05/03/05>
<05/03/21> 新しい表現のハングル表記を追加

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※ 原題「さしみ<04/04/14>」をリメイクしてアップしました。

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