音盤

 今通っている韓国語学校は、色々な職業の人が集まっていてとても面白い。
 看護士さんや、学校の先生、工場経営者、韓国の業者と取引担当をしている会社員など・・・
 その中でも異彩を放っているのが、インディーズ系ながらもCDも出している女性ボーカリストだ。
 彼女の話しによると、現在はまだ未確定なのではっきり明言できないようだが、新しく発売される化粧品関連のCMソングを依頼されたという。
 もしかすると、未来の大スターと肩を並べて韓国語を勉強しているのかもしれない。

 余談であるが、韓国語では一般的に「コマーシャル」のことをCMと言っても通じないそうだ。
 コマーシャル・フィルムの略語である「CF」と言わなければならない。
 「ゴリラ」の中で一度触れたが、韓国語で「F(エフ)」の音は激音の「P」に変わることが多い。
「CF」の発音をハングル表記すると

si-e-peu

になるので、無理矢理日本語で書くとしたら「シー・エプ」に近い発音になる。

 さて、韓国語で「CDを出す」をどう表現するか?
 もちろんそのまま

  CD-reul nae-da:CDを出す。

とも言うそうだが、時に

 eum-ban-eul nae-da:音盤を出す

という表現をする時があるそうだ。
 音盤とはアナログディスク、つまりレコードのこと。
 私もCDを売っているお店を「CDショップ」というより、いまだに「レコード屋」と言う方がしっくり来る、古いタイプの人間だからよくわかるが、韓国でも「レコードを出す」という表現をする人がまだ多いと言う訳なのだろう。

 韓国では日本のように、ただ可愛いからとか、女の子にもてそうな顔と言うだけで歌手になれない。
 特に韓国の歌謡曲(K−POP)はダンスミュージックが多いので、歌の訓練だけでなくダンスの訓練も相当するそうだ。
 そのような厳しい訓練を積んでやっとデビューすることが出来る。
 日本の場合、新人歌手がデビューしたら、まず「シングルCD」を発売するケースが多いと思うが、韓国にはシングルCDというものがない。
 いわゆる「アルバム」という形で10数曲の曲が入ったCDを出す。
 CDを出した歌手は、一旦テレビなどのメディアから姿を消す。
 これはレコーディング後の休暇と言えるかも知れないが、後数ヶ月から1〜2年の休暇に入り、その後CDの売上げが伸びれば、新たなCDを出すべく新曲を引っさげて活動を開始するというのが韓国流らしい。
 これを「帰ってくる」と表現するそうだが、CDの売上げが思うように伸びないと・・・
 そう、もうその歌手は帰って来ないのだ(ToT)
 日本で、一曲だけ大ヒットした歌手などを「一発屋」と言うが、果たして韓国語にそのような隠語があるかどうか・・・

 さて、韓国でもパソコンによるCDのコピーが横行しているため、CDの売り上げがかなり落ちているらしい。
 授業中そういう話しが出た時、先生が驚くような表現を教えてくださった。
 「CDをコピーする」をどう表現するかについてだが、「CDを複写する」という漢字語表現や、「CDをCopyする」という英語表現も使うそうだが、普段よく使うのは

 CD-reul gub-dda:CDを焼く

だと言うではないか!
 へ〜、日本語と同じなんだ!

 現在Internetの普及のおかげで、世界中の商品を購入することが出来るようになってきた。
 韓国映画のDVDや、韓国のCDも簡単に購入することが出来る。
 その値段は日本の商品よりもはるかに安い!
 「CDが売れないのはCDが簡単にコピー出来てしまうからだ」という理由で、コピー防止のプロテクトをかける業者もいる。
 正直言って、私もCDを借りて焼いたことはある。
 でも、それが本当に良いものなら、本物を購入することにしている。
 今は韓国語の勉強に夢中なので、基本的にに日本語の歌に興味が無いが、日本のCDも韓国並に安くすれば、もっと売れると思うんですがね。

<04/08/02>

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