現在アテネで開催されているオリンピックで、日本人選手が次々と金メダルを獲得している。
私はスポーツ全般に興味が無い人間であるが、これだけ日本人選手が活躍しているのを見ると、心の底からうれしくなってくる。
だが、開催前に大会社のスポンサーが付き、大金をもらってコマーシャルに出演する人がいると思えば、昼間、スーパーのレジ係をしながら睡眠時間を削って練習に練習を重ね、ほとんど手弁当でオリンピック代表を勝ち取った選手達もいる。
そう言う苦労人こそ、メダルを取ってもらいたいなぁ。
オリンピックも甲子園も、今となっては大企業のための広告塔か、品評会みたいに感じるのは私だけかな?
さて、「金メダルをとる」を韓国語で言うと以下のようになるらしい。
geum-me-dal-eul dda-da:金メダルを
dda-da:とる
geum-me-dal-eul dda-da:金メダルをとる
この「dda-da」という単語は、ブドウやイチゴ、キノコ、花などの農作物をとる時に使われる動詞だ。
栄光のメダルとは、頭上にぶら下がっている果実のようなもので、必死に手を伸ばしてもぎ取るというイメージがあるからこのような表現になるのだろうか?
また、この「dda-da」には、資格や免許を取るという意味も有るので、是非覚えて欲しい。
un-jeon-meon-heo-jjeung-eul dda-da:運転免許証をとる
ちょっと話しがずれるが、某韓国語学習雑誌や、HNKハングル講座で、美しい発音に重点を置いている有名な先生がこんなことをおっしゃっていた。
「私は長い間日本で生活しているけれど、いまだに日本語の金メダルと銀メダルを聞き分けるのが苦手だ」という。
日本語の「金(きん)」と「銀(ぎん)」は、語頭が濁るか濁らないかの違いであるが、日本人に韓国語を指導しているほどの大先生が、どうして語頭の濁音を聞き分けられないのか?
韓国語をかじった人なら「韓国語の語頭は濁らないが、文中では濁音化するという法則があるけれど、濁音を聞き分けられないはずはない」と思うかも知れない。
ところが、話しはそれほど単純ではないらしい。
韓国語の語頭は濁らないと言うのは日本人の耳で聞くとそう聞こえるだけで、厳密に言うと語頭より文中の方をより濁って発音しているだけと言える。
これだけではまだわかりにくいだろう。
ハングル講座でこんな質問があった。
「今まで釜山をプサンと読むと思っていたのですが、アルファベット表記ではBusanとなっていました。どちらが正しいのでしょうか?」
その時、先生の説明では「釜山をアルファベットでPusanと表記すると、韓国人には
pu-san
又は
bbu-san
であると勘違いしてしまう可能性があるため、原音に近い表記になっている。」と言うことだった。
この説明の後、ネイティブが
bu-san
と、正確な発音をしていた。
つまり、韓国語の発音を正しく表記しようと思ったら、平仮名やアルファベットではなく、Hangulでなくてはならないということなのだろう。
「ふ」に○を付けると「ぷ」になる。
この○記号を日本語で「半濁点」というじゃないですか。
日本人が釜山を「プサン」と発音しても、語頭を濃音や激音で発音している訳ではないので、韓国人の耳には
bu-san
と、平音として聞こえているという事なのだろう。
韓国人の耳に「金」と「銀」が同じように聞こえると言うのは、実は日本人が語頭に濁点が付く付かないに関わらず
と「平音」で発音しているからと考えてみると納得が行く。
日本人にとって濃音が一番難しいと思うが、平音も実は奥深いと言う話しでした。
<04/08/22>
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