ハンアリのお客様

 いつも「水割り大学」で席を並べて勉強にいそしんでいる、悪友「両津氏」からメールが届いた。

 いい年して「お多福風邪」にかかってしまいました(ToT)

 へぇ〜、お多福風邪と言えば子供のかかる病気だと思っていたのだが、成人してもかかる人がいるのだなぁ…と感心しつつも、私の興味は別のところに向けられていた。

 お多福風邪を、韓国語で言うとなんと言うのだろう?
 早速、電子辞書で調べてみると、まず「流行性耳下腺炎」という言葉が載っていた。

  yu-haeng-sseong i-ha-seon-nyeom:流行性耳下腺炎
※ 上記の赤字部分は特別な発音を表しています

 見るからに医学用語ぽいが、現在病院では「お多福風邪」という言葉自体使わず、単に「耳下腺」というという話しも聞いた。
 お多福風邪も死語になってしまったということか…
 さて、難しい漢字語は置いておいて「お多福風邪」について、ちょっと面白そうな単語が出て来た。
 それが今回タイトルにした「ハンアリのお客様」である。

hang-a-ri:ハンアリ?

son-nim:お客様

hang-a-ri-son-nim:ハンアリのお客様

 ハンアリというものが分からないと、どうしようもない。
 「ハンアリ」を検索してみたところ、下位部が狭く、胴体が張り出している陶磁器のことを言うらしい。
 専門家に言わせれば、若干違うのかもしれないが、一般的に「壷」とか「瓶」の総称であるようだ。
 写真を見てもらえれば一目瞭然!

 なるほどね。
 顔がふくれてしまうと言う表現を、ハンアリという誰でも想像できるもので言い表したようである。

 ところで、ハンアリは納得したとして、その後の「お客様」という単語が気にかかる。
 もしかしたら、何かこの病名がつけられることになった昔話があるのかもしれない。
 気になったので、韓国語界の「ブラックジャック」先生に質問したところ「お客様という部分に深い意味は無い」ということだったのだが…

 自分勝手な推測なのだが、お多福風邪は移る病気であるため、慎重に接しなければならない→あたかも、お殿様からお預かりした「お壷様」を敬うかのごとく、この病気にかかった人を慎重に看病したとか、そういうことなのかもしれない。

 ちなみに、韓国で「お多福風邪」を表す言葉としては

bul-geo-ri:お多福風邪

と言う方が一般的らしい。
 また、とある先生からの情報に寄ると

bul-geo-rae:火鯨[直訳]

 という言い方も有るということ。
 まるで、焼いた鯨のように真っ赤に大きくふくれてしまうと言う意味だ。
 なるほどね!
 こりゃ面白い。
 ただ、火鯨という言い方は、ネットを検索してもヒットしないので、一部地域で流行ったローカルな言い方なのかもしれない。(調査中です)

 今回のお勉強の成果を、両津氏にも教えてあげよう!と、メールをしたところ…

 何でもネタにしないで、少しは心配して下さいよ(-.-;)
 快気祝い、期待してますよ!

 ごもっともで(^^;

<05/03/12>

---------

 読者の方から「火鯨」という言い方は一般的ではないという投稿を頂きました。
 訂正した通り、一般的な言葉ではないようです。
 でも火鯨の方が面白いし分かりやすい気もします(^^;

<05/03/21>

Copyright © 1998- "Senkyousi", All Rights Reserved.
E-Mail : na_neun_seon_gyo_sa@hotmail.com

戻る