韓国語学校の先生や、知り合いの韓国人から「ウェル・カム・トゥ・トンマッコル(トンマッコルにようこそ)」という韓国映画を紹介された。
この映画のあらすじだが、
朝鮮戦争当時、韓国軍兵士が北朝鮮側にある「トンマッコル」という村に迷い込んでしまう。
この村は非常に奥まったところにあり、今戦争が行われていることすら知らないぐらいのどかな村だった。
しかし、この村にも戦争の火の粉が降りそぐことになる…
ってところだろうか。
上の写真は映画のポスターなのだが、先生が変なことを言い出した。
真ん中に写っている、ほっぺたを膨らました女の子を見て
覚えておいて下さい!韓国ではこのように頭に花を刺してはいけませんよ!
頭に花を刺しているのは「キチ●イ」の印なんです!
初耳である。
日本人の感覚では、花を髪飾りにした女の子はかわいく見えるし、ちょっと古い映画の中で、恋人が女性の髪に花を刺してやるというラブシーンもあるし、どうして頭に花を刺すと「キ●ガイ」の印になるのか想像がつかない。
まぁ、韓国ではそうなっているのだから、韓国で頭に花を刺すということがどういう意味なのかだけ覚えていただけたらよいと思う。
「キチガ●」と書くと言葉狩りに会いそうなので、ここでは韓国語で表記してみよう。
まずは「狂った人」という表現
mi-chi-da:狂う
sa-ram:人
mi-chin sa-ram:狂った人
韓国人はこの「狂った」という単語を使った独り言をよく使う。
mi-chi-gesso!
mi-chi-gen-ne!
直訳すると「狂いそう」ということだが、物事がうまく行かなかった時の独り言や、相手をののしる時などに使う言葉で、お世辞にも美しい言葉ではない。
時と場合を考えないで言うと喧嘩になる。
次は
jeon-sin na-gad-dda:精神が出て行った
これはどちらかというと、非常に忙しかったときや、不意のトラブルで精神的に混乱したときに使われることが多いようだ。
「あの時は取り乱していて…」というシーンで使うわけだが、最初の「狂った人」よりはソフトな言い方で「●チガイ」を表現できると思う。
masi na-gad-dda:味が出て行った
賞味期限が切れたりして味が無くなるから転じた言葉で、ずいぶん前に「機械が壊れる」という意味として覚えた記憶がある。
ただ、これは若者言葉で、年配の人にいってもピンと来ないかもしれない。
以前、この表現を覚えたので、ある年配の先生に言ってみたところ「なんとなくイメージはつかめますけど」とおっしゃっていた。
あくまでも参考である。
まだあります。
やっと今回の題目です。
meo-li dol-da:頭が回る[頭がおかしくなる]
日本語では頭がよく回ると言うと「頭が良い」というイメージだが、これは全く反対だ。
辞書を調べてみると
meo-li jal dol-da:頭がよく回る
という表現も出ていた。
こちらは「頭の回転が速い」とか「知恵がよく回る」という日本語と同じで意味。
副詞一つで意味が変わってしまうのはとても面白い(^^;
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余談ではあるが、「嫁」を表す韓国語に
sae-ssi:セクシー
と言う言葉ある。
これは男が女性を見て「今日の君はセクシーだよ」なんて言う英語ではなく、純粋な韓国の固有後である(^^;
もう少し言葉を付け加えて
sae-ssi:新妻
と言ったりもする。
私が韓国語を習い始めた最初の年、クラスメートが「早く嫁が欲しいです」という内容の作文を作ったら、ある男の先生が
普通は「早く結婚したいです」とか言うものですし、男がセクシーというと、なんだか昔の映画に出ていた頭のおかしい男をイメージしてしまうんです。
とおっしゃった。
先生によると、韓国の時代劇の中で頭の足りない男が「お嫁さん欲しいなぁ〜」なんて言っているのを何度も見たらしい。
確かに日本でもマザコン男の典型的な台詞として使っているしね。
「セクシー」と言う言葉を使う=頭がおかしいというのはその先生のイメージであって、他の先生に聞いたら「普通に使いますけど」とおっしゃっていたので「頭に花を刺す」よりは普遍的なものではないのだろう。
賢明な読者の諸君!
この台詞、私が「あ〜僕もお嫁さん欲しいなぁ〜」って落ちに使おうと思って出してきたと思ったでしょ!(ToT)
mi-chi-gen-ne!
<06/02/12>
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