ネティズン

 今年も昨年、一昨年と同じ学校に通うことになった。
 前回まで担当して下さった先生は、日本の会社に就職が決まり、今期から男の先生が担当。
 昨年の先生はとにかく「しゃべりまくりましょう」という方針であったが、今年からは生徒の苦手分野を補正してあげようと、いろいろ趣向をこらした教材を用意して下さり、内容が濃い授業が展開されている。

 さて、今回は仮想インターネットショッピングをやってみましょう!コーナー!!であった。
 先生が持ってきたのは、アマゾンのような本のショッピングサイトを印刷したもの。
 どのボタンがどんな意味であるかとか、この部分は推薦文であるとかの説明を受けた。
 書いてある文字はハングルだが、基本的に日本のアマゾンと変わりない。

 先生はこのような韓国のショッピングサイトを見ていると、時々省略された言葉が出てくるので注意して下さいと、次のような言葉を教えてくれた。

1 

2 

3 

4 


※ 韓国語を勉強している人は、少し考えてからスクロールしてみて下さい。














 さて、回答編。
 まず1だが

gang-nyog-chu-cheon:

の略語である。
 つまり「もの凄くお薦め」ってことだ。

 続いて2だが、実は1の反対語。
 辞書で調べると「悲愁(ひしゅう)」という単語が載っているが、それでは意味が通じない時が多いと思う。
 これは

bi-nyog-chu-cheon:非推

 お薦め出来ませんということ。
 出版社や書店が売り上げ向上のためにいくらお薦めと言われても、実際読んでみたら「どこが面白いんじゃ!」と思うことも有るだろう。
 インターネットの世界は、実際に読者がこの本を読んだ感想などを書いているので、購入する際の参考になるだろう。
 でも、やっぱり自分で読んでみないことには、その本が本当に面白いかどうかわからないんだけどね。

 次に3。
 ある程度韓国語を勉強してインターネットの記事を読んでいると出てくる単語がこの

ne-ti-jeun:ネティズン

である。
 初めて聞いたときは「ハイルヒットラー!」のナチズムがなまっているのかと思ったのだが、これは

ネットワーク(network)+市民(citizen)

を合体させた造語で、もともとはイギリスあたりから出てきた言葉らしい。
 私もその一人であると自覚しているのだが、ネットの中で生きている市民という意味でもあるし、一種のネットオタクと捕らえても良いかもしれない。

 4はこの「ネティズン」を韓国の固有語で表した新造語である。

nu-ri-ggun:ヌリクン=ねっと市民?

 ところでこの「ヌリクン」とはどういう意味なのだろうか?
 一番最後の文字「クン」とは「一種の職業を専門に行う人間」と言う意味の固有後である。
 だが、その前の「ヌリ」が今ひとつつかめない。
 辞書には昆虫の「イナゴ」だとか、空から振ってくる「雹(ひょう)」があったが、そういう部室を集める者ではないだろう。
 他に「脂臭い」「獣臭い」という臭いを表す形容詞も出て来た。

 たしかに秋葉原に行くと脂ぎったオタクもいることはいるが、そこまで直接的な表現なのか?

 頼みの綱はインターネット。
 どうやら「ヌリクン」を最初に提案した人は「ヌリクムル」

nu-ri-geu-mul

が語源と言っていたようだ。
 やっと何か見えて来たような気がする。
 結論から言うとここであげられた「ヌリ」は「世界」という意味があるらしく、それと「クムル」=「網」をあわせた言葉だとわかった。
 つまり

nu-ri:世界

geu-mul:網

世界網=インターネット

というわけか。
 しかし、このような造語はなかなか辞書に載らないだろうから、普及するまではかなり混乱を来しそうな気がする。
 「ヌリクン」はまだ普及している方らしいが、二三日で「やっぱり使えない」と消えて行く言葉も有ると思うし。

 このように「外国語を我が国の言葉にかえよう」というポータルサイトを見つけた。

http://www.malteo.net/

 これも一つの「ウリマル マンセ〜!」運動だろうか?

<06/04/28>

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