ニュースの見方

2006年1月27日 / 宣教師の思考方式

 これまで国民を炊きつけ「国民総員で抗議しよう!」がごとく取り上げてきた事件も、連日のライブドア騒動を報道によって完全に影が薄くなっている。
 マスコミの脚色・本筋ずらし戦法なのだろうか?


 堀江モン氏を応援した与党に責任はあるか?
 私は戦術的には非常に良かったと思うだけで、いまさらそのことをとやかく言うほうがつまらないと思うし、そのことをネタにして重要案件の審議に入らず(もしくはそういう部分を全く報道しないだけか?)イメージダウンを図る連中のほうが気に入らない。
 堀江モンをあそこに立てたのは、単なる「亀井静香」つぶし。
 さすがに亀井さんも地盤の厚さで勝ったものの、堀江モン氏のネームバリューが亀井さんを脅かしたことに間違い無い。
 実際、いまだにそんなことで野党がグジュグジュ言っているのか、見えないのだが、責任追及というなのこき下ろしをやめたのなら、それはその程度のものだった、一時的なアピールだったと考える。
 だって、野党第一党だって一時は堀江モン氏の公認を考えていたのでしょ?
 「会ってみたらこれは考え方の違う人だと思ったから要請しなかった」といったってさ、「人気者を起用すれば選挙民は票を入れる」という考えだったはずだ。
 堀江氏の本に「政治に興味は無い」と書いてあったのにもかかわらず、接触したのでしょ?
 堀江モン氏も「どうせなら勝てそうなほうに着きたい」という先見の目があったから与党についただけのような気がする。 
 野党第一党も堀江モンを公認して「任期の間は自分らの考え方についてくればいい」と言っておけば、議席を1つ伸ばせたに違いない。
 そんな考えは選挙民を馬鹿にしている!と思うのだろうけど、本気で政権奪取を考えたら「戦略の一つとしてはあり」だと思い知ったはずだ。
 薬物中毒者議員を出しているのに、当選もしなかった候補のことをいつまでも愚痴っているのもはずかしいだろうしね。
 政治は奇麗事・正攻法ではなかなかうまくいかない世界らしいですから…。
 こういうやり取りを連日報道しているテレビも三流タブロイド記事・写真週刊誌と大して変わらないな。
 日本人は「熱しやすく冷めやすい」と言う話があるが、馬鹿な国民が飛びついてきそうな話題を提供することによって視聴率を稼ぎ、新しい事件に飛びついた視聴者は、以前のニュースをすぐに忘れる。
 視聴率というものは視聴者のためにあるのではなく、どちらかというとスポンサーのためにあると思う。
 卵が先か親鳥が先かという話かもしれないけど、この構図でいうと堀江モン氏がやってきた株価操作とあまり変わらない。
 今から10数年前、とある宗教団体が大事件を起こし、連日マスコミはこの宗教団体を連日のように報道していた。
 ある日、その宗教団体の建物の様子を報道しているラジオを聴きながら、たまたまその建物前を通りかかった。
 「建物の中からヘッドギアをつけた信者が出てきました!」
 どこにそんなやついるんだ?
 完全に脚色してるじゃないか!
 マスコミ報道が常に真実を伝えているとは限らないと感じた一瞬であった。
 漫画を原作としたドラマが目立つんだよね。
 「人気コミックをドラマ化!」とは言っているけど、視聴率と関連商品の収益を目的にしている、安易なものが多いと感じる。
 人気漫画家を創作するのは大変な努力が必要だと思う。
 雑誌社は読者のニーズを取り込みながらも、新たなる話題の提供を模索して作品を作っている。
 その苦労の末、やっとヒットした作品を横からちょいと拝借して、ちょこちょこっと人気タレントを配置すれば、視聴率を取れないはずは無いと考えているのだろう。
 本当のオリジナルドラマというのは、一部のアニメと特撮ドラマくらいしか思いつかないのだがどうだろう?
 作品を1から作るのは物凄い力が必要だから安パイを切っている。
 生牌を切るのは勇気がいるからね。
 非常にわかりやすい。
 出勤すると先輩から「ニュース見たか?お前かと思ったよ」とよくわからない話を切り出されてなんのことやら…
 昼のニュースでわかったのだが、上野のメイドカフェのメイドをいたずら目的で誘拐?したという事件があったらしい。
 このニュースは「自称占い師・11人の妻と謎の生活」という話題の影に隠れてしまい、まだあまり大きく取り上げていないようだ。
 実際、誘拐された女性に被害らしい被害は無く、あっという間に御用となった間抜けな事件。
 この事件を簡単な文章にすると…
無職青年、飲食店従業員をいたずら目的で誘拐
となる。
 だが、これでは視聴者にアピールできないので、マスコミとしては脚色が必要だ。
秋葉系萌え男、メイド喫茶の妖精を誘拐
ってところでしょうか。
 本当は「電車男がメイド喫茶の妖精を誘拐」とはやし立てたいのが本音だと思う。
 電車男は、昨年「秋葉系オタク」を象徴するキーワードだから、イメージダウンを狙った戦略もありだと思う。
 だが、実際「電車男」は一個人を特定している名詞であるし、現在DVDも発売していることから、著作権の関係と営業妨害、他社との兼ね合いで、テレビでは使えない。
 それと、まだ「萌え」「秋葉系」「オタク」というキーワードを出せば、それなりに視聴率をつかめるので、まだもうしばらくの間イメージダウンになる報道は避けようと思っているのかもしれない。
 「オタク特集」を見た同僚は「ビデオにとって見ちゃったよ。カァちゃんなんか気持ち悪い~って言ってたのが面白かった」なんて言っていたし、次の日「秋葉原行ったらおでん買ってきてよ」と言われるほどインパクトがあるようだ。
 視聴者が飛びつきたくなるようなネタがなくなってきたら、今回の事件は「オタクバッシング」の引き金になりかねなかったと思う。
晴れ

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