空牛

2002年1月7日 / 役に立たない韓国語

 私はある虫の名前を日韓辞典で探していた。
 A社の辞書にはは直訳すると「空牛」と言う名前が有った。
 なるほど、あの虫は「空牛」というのか・・・

하늘 ha-neul:空

so:牛

하늘소 ha-neul-so:空牛?

 ところがこの「空牛」を同じA社の韓日辞典で調べてみて驚いた。
 そこには「カミキリムシ」という名前が書いてあったのだ。
 何を驚いたかというと、私が日韓辞典で調べていた虫の名前は「クワガタ虫」だったからだ。

 そしてB社の日韓辞典でクワガタムシを調べてみると、また別の名前が書いてあった。

하늘가재 ha-neul-ga-jae

 これをA社の韓日辞典で調べると「ハサミムシ」と出ている。
 勘弁してくれ!
 B社の韓日辞典で「ha-neul-ga-jae」を調べたら、今度は載っていない。
 逆にB社の韓日辞典には「ha-neul-so」はカミキリムシで有ると書いてあった。

 こう言うときには頼みの綱のInternet。
 韓国のWebサイトで写真付きの昆虫専門サイトを探してみた。

昆虫の国
http://w235.contest21.com/~hongmo/

 ここでは私が想像していた「クワガタムシ」を以下のように書いてあった。
 最初の二文字のハングルは「鹿」を表す韓国語である。

사슴벌레 sa-seum beol-le

 なるほど!
 鹿の様な角を持った虫だからクワガタムシか!
 これはこれで面白い気がする。
 これをA社の韓日辞典で調べてみたら「ハサミムシ」だと書いてあった(-_-#

 なぜこんな結果になってしまうのだろうか?
 一つの可能性は、辞書を編集した人達の中には虫の名前を上手く翻訳出来なかったということ。
 もしくは昔(というほど古い辞書では無いはずだが)クワガタもカミキリムシも、ハサミムシも、昔はそれほど明確に分ける必要がなかったからかもしれない。

 上のホームページにある写真を見るかぎり、「鹿虫」がクワガタムシ、「空牛」はカミキリムシだと思いますが・・・

 韓国でも「アリとキリギリス」というお話が有る。
 蟻はともかく、キリギリスに当たる単語を辞書で調べると「ウマオイ」が出てきた。
 バッタとキリギリス、そしてウマオイの違いはクワガタとカミキリムシほど無いにしろ、辞書で調べると全然違う物が出てきてしまう名詞の一つである。

 辞書に書いてあることを鵜呑みにしてはいけないというお話でした。

<02/01/07>

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