ハサミ押される
2002年1月30日 / 役に立たない韓国語
前回に引き続き「梅図かずお」先生の漫画を想像してしまった表現だ。
神の左手悪魔の右手「錆びたハサミ」より
実はこの表現を初めて見たのは、漫画は漫画でも、韓国語版「名探偵コナン」の1シーンだった。
第2巻のお話に、古い洋館の地下に閉じこめられている青年の話が載っている。
その青年はベットで寝ていたのだが、突然叫びながら目を覚ます。
その姿を見た母親は「またハサミ押されたんだね」と言っていた・・・
가위 ga-wi:ハサミ
눌리다nul-li-da:押される
가위 눌리다ga-wi nul-li-da:ハサミ 押される?
いや、お話の流れから考えると「悪夢にうなされたんだね」と言っているに違いないと思ったのだが、何かしっくり来ない。
何かまた大きな勘違いをしているに違いない。
辞書を見たところ、やはり私の想像通り「ga-wi nul-li-da」は「うなされる」「悪夢に襲われる」と書いてあった。
どうやら私が「ハサミ」だと思っていた単語には同音異義語で「悪夢」「夢魔」という意味があったのだ。
この話をネイティブの先生に話したところ、面白いことを話して下さった。
つまり辞書には同じスペルで乗っている同音異義語だとしても、おそらくかつては似てはいるが、別の発音であったのではないかという。
また、「悪夢を見る」というストレートな表現もあるし、悪夢をわざわざ「ga-wi」と韓国固有の言葉で表現してもおそらく通じないのではないかと思う。
全て確認できるわけではないが、以前「橋の下」というお話で触れたように、ハングル表記も現在ではだいぶ簡略化されてきていると言えると思う。
最近辞書を引くたびに、何かその単語に面白い同音異義語が無いだろうかと思っているのだが、中には今回のように単独では役に立たない物も多いようだ。
無理してそういう言葉を使うと、有る先生はかならずこう言うのだ。
その言葉は、よの辞書には無い!
今回も、例え辞書に載っている言葉でも、使ってみないとわからないというお話でした。
<02/01/30>