BEST OF COROCORO
2012年2月8日 / 戯れ言
小学生の頃、ドラえもんが大好きで、コロコロコミックという雑誌を買って読んでいた。
漫画雑誌をこれだけ長期間購入したのは後にも先にもコロコロコミックだけだ。
コロコロはいわゆる月刊誌で一冊5.600ページもあり、その全てを長期に渡り保存するのは物理的に不可能になってきた。
そこで面白いと思う漫画をピックアップして一冊に編集したのがこの
BEST OF COROCORO
である。
編集した当時の記憶はほとんど残っていない。
コロコロのスペルを「COROCORO」にしたのも、当時ローマ字を覚えたばかりでよく分かってない。
弟から
それじゃキョロキョロじゃないの?!
と茶化された覚えが有る。
漫画を切り離したあと、無地の厚紙を表紙にして、漫画を木工用ボンド(酢酸ビニルエマルジョン系接着剤)で固めた。
35年近く経っているので本の縁は茶色くなってしまっているが、中はかなり綺麗。
数十年自分の宝物のように傍らにおいておいたが一切開かなかった(^^;
つい数日前、これだけはやはり捨てては行けない気がして実家から持って来たのだ。
コロコロコミックは本当に色々な漫画が乗っていたが、藤子不二雄先生の連載がめいんでした。
その脇を固める重鎮や新人さんの漫画もかなり新鮮で良かった。
さて、私がどんな漫画を後世に残そうとしたのかひも解いてみた。
最初の一話目がリトル巨人君だった。
野球など全く興味がない少年時代を過ごしたけど、コロコロの野球漫画は面白かった。
巨人君だけでも数話分保存されていて、掛布や王監督、堀内監督までまだ現役選手で登場している。
内山先生はウルトラマンの漫画もコロコロに連載されていて、かなり興奮して読みふけっていたのだが、なぜウルトラマンシリーズが残っていなかったのかは記憶に無い。
おそらく単行本で買うつもりだったのかもしれない。
内山先生はリトル巨人君の他に魔球を投げる主人公が出てくる「燃えろクロパン」や剣道馬鹿少年が竹刀をバットに持ち替えた!「野球ムサシ」など、熱い野球漫画を執筆されていた。
今は萌え〜な不完全燃焼系が流行だけど、やはり男の子は燃えてなんぼって時代だったよね。
なんかさぁ、今の漫画の流行ってどれだけキャラが立っているかって話しじゃないですか。
設定を細かく決めてとか、それはそれで面白いけどどこか商業チックでキャラ売り先行型です。
それとは全く違う方向性の漫画と言うのが昔は有ったのだと教えてくれます。
なにしろ、主人公が猿ですから。
猿の世界を擬人化しているけどこれはこれでもの凄く面白いし、いまでも十分通じると思います。
だけど、今の小僧どもは「どこが面白いんだ?」って言うに違い有りませんけどね。
飯森公一先生の作品として「これから動物園」という作品も収録されていました。
人間と動物とのふれあいだけではなく、動物園を作って行くまでの過程がドラマチックで良かったです。
「これから動物園」は辺境の地に動物園をいちから作るところから始まるのですが、一番最初に動物園に必要なものという話しが出てきます。
最初、園長は「事務所が必要だ。その次に必要なのが町からここまで来る道が必要だ」と言って、動物園で働こうと集まった若者に山道の整備という重労働をさせます。
なぜそんな事をしたのか…
最後に明かされる理由を知って目から鱗が落ちたと感じました。
本当に昔の漫画は色々な事を教えてくれる先生だったと言う気がします。
六田登先生と言えばダッシュ勝平やFが有名ですが、コロコロにもかなり連載をしていました。
さっきWikipediaを検索して知ったのですが、1978年に「最終テスト」が第1回小学館新人コミック大賞佳作入選した記念作としてこの作品をコロコロに描いたようです。
いや〜、青臭くて良いですね。
六田登先生の作品はこの他にも「どんまい」というほのぼの野球漫画が1本入っていました。
この漫画を知らない人も増えて来たんでしょうね。
ゲーム漫画のパイオニア的存在です。
その第1話を収録しています。
当時コロコロコミックは1冊320円。
漫画の単行本も昭和50年代は確か300円前半だったと記憶しています。
ゲームセンターあらしは当時最高に売れている漫画で、ゲームセンターあらしの第1話が収録してあるコロコロコミックを1000円で買うと言う人まで出たくらいです。
もちろんその当時は金より漫画が命。
コツコツ集めたコロコロコミックを何十冊も並べて喜んでいる小学生でした。
往年の大作家である川崎のぼる大先生もコロコロコミックで連載をされていました。
コロコロコミックの初期にはいなかっぺ大将まで連載されていました。
考えてみれば凄い豪華な執筆陣だったと思います。
花と龍は短期間の連載物。
剣道版いなかっぺ大将みたいな主人公と、体は男より大きくて太っていて美人ではないけど、とても心が優しくて料理が上手くて、それでいて主人公より剣道が強いっていう清々しい程漫画チックで心温まる作品でした。
川崎のぼる先生の描く主人公はけして二枚目ではない。
デブでちびで頭も悪い。
だけど何かにひたむきに打ち込む姿勢は今のオタク像とは正反対ですよね。
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この他にもばかばかしいギャグ漫画が何編か入っていました。
なんだか、今のお笑い芸人が色々なキャラクターを模索しているみたいな感じです。
苦労しているけど報われないよね〜
神様からのインスピレーションが降りてこなかった箸にも棒にも掛からない漫画家がどれだけいるんだよ〜〜
それに比べれば、この人はたしか5話以上短編をコロコロに描いていて、僕の心の記憶の中にもうっすら残っているんだからまだましだと言いたいです。
ビールを飲みながら長々書いてしまいましたが、僕はやっぱり昔から漫画が好きだったんだなと改めて思います。
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