箪笥

2006年1月8日 / コラム


 両親が旅行に出かけているため(社員だけ働き、社長だけ金を使い込んで遊んでいるとも言う)一人映画大会。


 一本目は「チャウシンチー」の「トリックマスター」
 「少林サッカー」でチャウシンチーの大ファンになったため、色々過去の作品を見ているのだが、今回も単なるドタバタ劇。
 二度見る気になれませんでした。
 …以上
 さて、お次は韓国映画「箪笥」
 韓国人なら誰でも知っている「薔花、紅蓮(この映画の原題でもある)」という昔話をモチーフとしたホラー映画だという。
 映画を見た後検索して分かったのだが、「薔花、紅蓮」とは、その古典民話に登場する姉妹の名前らしい。
 古典では、ある継母が「薔花と紅蓮」という二人の姉妹を殺したため、姉妹が化けて出て復讐するというおはなしらしい。
 スティーブン・スピルバーグが史上最高額でリメイク権を獲得したなんて話を聞いていたので、結構期待しておりました。
 時折「これは来るな…」と言うシーンで、お約束どおりびっくりするシーンが何回か有ったが、「リング」のように最後の最後まで精神的に追い詰められるような怖さはなかった。
 まぁ、この映画からは怖さより、美しい家族が崩壊する緊張感や、映像的な神秘性や世界観を感じた。
 冒頭から「緊張感」だけは感じた。
 地方にある、いかにも格調高そうな家にやってきたある家族。
 父親とその二人の姉妹。
 そしてその家で待っていた「女性」。
 最初、この「女性」は父親の愛人か、兄弟の部類かと思ったのだが、継母だと理解できたのは物語りがかなり進んできてからだった。
 とにかく、この家族は何かおかしい。ギクシャクし過ぎている…
 その原因はなんなのだ?
 物語が進むにつれ、なんとなくアウトラインは見えてくるのだが、その途中途中に割り込んでくる「亡霊」らしきもの…
 この亡霊の正体がなんであったかは「ネタばれ」になるので書けないが、最後の最後で、テン・テン・テン
 不思議な緊張感の中で、一人だけおかしな人物がいる。
 父親だ。
 この父親が時折、おかしなことを口にする。
 映画を見ている観客側としては「なんでこの男はこんな台詞を言っているのだろう?」とか、「お前はなぜこの緊張感漂う家の中で、一人傍観しているのだ?」と物凄く理解に苦しむのだ。(後からその理由も明らかになることはなるが…)
 一度最後までみたのだが、なぜこのようなお話になってしまったか理解に苦しんだ。
 監督が言いたかったことも分からないでもないのだけど、正直話の根底を揺るがす大どんでん返しがあってからというもの、それまで見てきた映像と、その後の映像が頭の中で整理できないまま終幕を迎える。
 いま見ているシーンが現在の話か、過去の回想なのか混乱してしまうのだ。
 これはあまり完成度の高い映画ではないと感じた。
 なんかもやもやした気分になったので、あまり良いことではないのだが、DVDの特典である、監督と主演女優二人を交えた解説を聞くことにした。
 なるほど!ひざポン!とまですっきりはしなかったが、この解説を聞くことで「謎解き」というか世界観がやっと分かった気がした。
 でも、それじゃぁね…
 この映画の原題はあくまでも「薔花、紅蓮」であって「箪笥」というタイトルは日本でつけたものだ。
 確かに箪笥がこの物語で重要なアイテムになっているのだけれど、箪笥にまつわる怖いお話というわけでもないんだよな…
 子役の「ムングニョン」ちゃんが可愛いので、もう一度くらいは見て良いかな(^^;
 そうそう、肝心のリスニングのほうなのだけど、この映画はあまり台詞が多いほうじゃないし、早口ではないので難易度は低いほうであると思う。
 それより、裏音声でぼそぼそしゃべっている監督さんのほうが聞き取りづらいしネイティブのスピードなので、手ごわいです。
曇り

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