ドナドナ・・・

 平成11年6月上旬のこと。

 岩手県の友人が、私の住む東京江戸川区へPowerMac8500/G3を売ったことから話は始まりました。
 この8500はもともと604/120だったのですが、220MHzのG3カードを入れることで、その性能はDT266並みでした。
 ところがどういうわけだか、この8500は元のユーザーの手を離れてからというもの、なかなか言うことを聞いてくれず、アフターケアをしようにも、お互い遠方のため思うように事が進みません。
 一時は岩手県へ返品ということになりそうでした。
 そこで白羽の矢が立ったのが、「東京江戸川のMac宣教師」こと、私だったのです。
 岩手県の友人の名代として、しっかりサポートしてやりましょう!

 色々あった不具合も、結局のところG3カード周りの設定が悪かったらしく、結構あっさりと復旧しました。
 しかし、近所の方は仕事でMacを使っているため、いつまでも私のレポートを待っていることができず、仕方なく他のマシンの購入を余儀なくされていました。
 8500は江戸川区で中に浮いてしまったのです。

 私はこいつに「じゃじゃ馬」と言うあだ名を付け、引き取ることになりました。


 平成11年6月中旬
 7500を持っている山形の友人から久しぶりにメールが入りました。
「そろそろマシンをパワーアップをしたいのでG3カードが欲しいんだけど・・・」
「そうですか、実は手元にG3カードの入った8500が有るんだけど・・・」
 話はとんとん拍子に進んで、最後には7500と8500をトレードしようということになったのです。

 ところが、山形県へ送られた8500はじゃじゃ馬ぶりを発揮してくれました。
 友人が使っていたアビットシネマというムービー編集ソフトで、エフェクトが働かないというのです。
 再び8500は私の元へ戻ってきました(^^;

 不具合の理由は、当の昔にAPPLEが見放したアビットシネマが、G3カードに対応していないということでした。
 しかし、高速化のためのG3だったのに、エフェクトのレンダリング速度はどうみても604/180より遅かったのです。
 結局G3にソフトウエアーが最適化されていないということでした。
 高速化のためのG3カード導入だったのに、これでは本末転倒です。
 それなら良い機会だから、いっそのことデジタルビデオに移行しようということになり、中古で出ていたRadiusのEditDVを入れました。

 かくして、再調整を行った8500を送り、トレードした7500/180が手元に来たのは平成11年8月中旬。
 交渉が始まってから2ヶ月も経っていたのです。
 その間「VAIO」も買ってしまったし、サブマシンとして手元に置く必要性が全く無くなってたため、すぐに個人売買で売ってしまいました。

 しかし考えてしまいます。
 現在のメインマシンであるYosemiteは、確かに速いマシンで快適な環境です。
 ところが家業のノンリニア編集が弟のWindowsマシンに移行されてしまったため「Macで仕事をする」ことが無くなったのです。
 仕事のためにマシンを常にパワーアップしてきた私にとっては、仕事をしなければ性能的にはこの7500/180位で十分のようです。

 山形の友人からのメールでは、デジタルビデオのノンリニア編集のため、高価なSCSI-HDを購入したとか色々大変そうでした。
 「それならいっそのこと、Yosemiteとじゃじゃ馬をトレードしますか?」と本気で考え友人に持ちかけました。
 しかし友人は、

やっとビデオ編集にも慣れてきたところですし、じゃじゃ馬号にもっと速いG3カードを入れてがんばってみます

 と、愛着の出てきたじゃじゃ馬号の更なるPowerUpを考えており、トレードは実現しませんでした。
 が・・・続く