映画「猟奇的な彼女」
お勧め度 ★★★★★
平成15年1月4日、本年最初のNHK教育テレビ「アンニョンハシムニカ・ハングル講座」で、韓国映画「猟奇的な彼女」がついに日本上陸を果たすことを知った。
日本公式HomePage
http://www.ryoukiteki.com/
韓国公式HomePage
http://www.yupgigirl.com/
私のHomePageにも、以前紹介して有る通り、あまりの面白さにDVDを輸入し、地域コードの問題をクリアーするため、パソコンを改造した位だ。
韓国の恋愛映画では「悲劇的結末」が非常に多いが、この作品は感動的なハッピーエンドで幕を閉じる。
(日本の公式HomePageを見て初めて知ったのだが、「延長戦(作品を見ないと分からないでしょう(^^;)」は、映画のために付け加えられた物だそうで、「後半戦」で終わっていた方が、韓国映画らしいと言う意見もありました。)
ヒロインはかわいいし、笑い有り、感動有り、どんでん返し有りで、最後の最後まで観客を楽しませてくれるエンターテイメントだ。
●ーーーーーーー
この映画のもう一つの特徴は、若者が若者の言葉で喋っていると言うこと。
私の場合、どういうわけだかヒヤリングで若者言葉はかなり聞き取れるのに、おじさんの言葉になると言葉が耳に入ってこないことが多い。
「餅になった」だとか、ネイティブしか使わない面白い表現もあるし、聞き取りやすい発音も相まって、勉強の教材としてもお勧めだ。
ところで、韓国語版「猟奇的な彼女」には「字幕」が入っているが、これがかなりくせ者だ。
原作である「猟奇的な彼女」を見てもらうのがいちばん分かりやすいのだが、若者が発音する通りにHangul表記して有る。
これはどういうことかと言うと、本来Hangulとは「発音記号・表音文字」であるが、特定の子音と母音がぶつかる時、発音が変化する一定の法則が有る。
また、方言によっては語頭の文字を「濃音」として発音したり、表記通り発音しない例外がある。
ところが、この映画の韓国語字幕は「若者の発音通り」の表記がなされている。
有る程度学習が進んだ人間なら、そういう物だと言う事を頭において、分からない単語を辞書で探せるのだが、物によっては「原形」が分からない→意味が分からないという弊害を起こしてしまう。
だから、この映画の字幕はくせ者なのだ。
とにかくこの映画は絶対面白いので、ぜひ皆さんに見てもらいたい!楽しんでもらいたい!
「火山高」よりは遥かに楽しめるますよ(^^;
<03/01/04>
三度「猟奇的な彼女」
■ 突然の発売
平成15年7月26日。
私は会社に行くため、地下鉄のホームへ続く階段を下りようとした。
ところが、不意に足が止まった。
上の写真のような、非常に見慣れたポスターが目に飛び込んできたからだ。
なぬ!?「猟奇的な彼女DVD、25日発売」だと〜〜〜!!
そんなの公式ホームPageにも書いてなかったぞ!
日本公式HomePage
http://www.ryoukiteki.com/
韓国公式HomePage
http://www.yupgigirl.com/
ちゅ〜〜ことで、会社帰りに買ってしまいました。
「猟奇的な彼女」のDVDは3枚目なんですがね(^^;
■ 価格設定が意味すること
ふと気がつくと、「猟奇的な彼女」以外にも、平成14年から15年前半に日本で公開された韓国映画が軒並みDVD発売されている。
イルマーレ(時超愛)←猟奇的な彼女の「彼女」が主人公
ラストプレゼント(贈物)←来週買います
火山高←日本語版を一回見ればもう十分
韓国映画ファンとしては、全てDVDをそろえて、日本語訳との違いを勉強したり、気軽に映画を楽しみたいところだが、DVDビデオは馬鹿みたいに高いと思う。
ハリーポッターのように、出せば馬鹿売れするような作品は、いきなり2,500円程で売られるケースも有るが、マイナー韓国映画は約5,000円という価格。
本国では一枚2,500円位で買える物を、なんでそんな大金払わなければならないのか!と思ってしまう。
ところが「猟奇的な彼女DVD」の値段は「3,800円」(安売り店だと3,000円前半)だった。
この値段設定は意味深い。
配給元が韓国映画のDVD発売と言う宣伝のため、駅に大きなポスターを張ったり、手ごろな値段を付けて売り出したということは、この韓国映画は日本で相当売れると判断したからだろう。
この値段なら「二人で映画館に行く値段だし、買ってみようか」という感じで、猟奇的な彼女のファンが増えるような気がする。
ファンとしては嬉しい限りだ。
■ いきなり”ちょっと幻滅”
何度も見たはずの映画なのに、笑えるところは笑えるし、感動する場面は日本語版で見ても堪能できた。
韓国語版では聞き取れなかったセリフも、日本語ならばっちり(。☆)\(-_-#
吹き替えを担当した声優さんのイメージは、ちょっと声の質が合わなかったけど、許容範囲。
何度も見ていながら、「あ〜、そういう意味だったのか」と再認識するシーンも有ったりと、購入はやはり無駄じゃなかった。
だけど、だけどですね・・・・
13分もカットするなよな〜〜!!
パボ〜〜〜(ToT)
日本公開版でカットされたシーンには、結構重要なセリフや、感動的なシーンが入っているのだ。
なんで?なんでそんなことしたのよ〜。
どうせDVDに映像特典として入れるつもりだったのなら、「日本公開版」と「韓国オリジナルバージョン」を選択再生できたろうに・・・
「猟奇的な彼女」を映画館で見たや、レンタルビデオで見た人も、日本の配給会社の都合で削られてしまったシーンを、映像特典でぜひ見てもらいたい!!
■ 消されたキーワード「運命」
配給会社の都合で削られてしまったシーンの中で、一番私が頭に来たのが、電車の中で彼女が主人公に言ったセリフだ。
空が青いのは私のためよ。
韓国に四季が有るのも私のため。
あなた(主人公)が生まれてきたのも、私のためよ!
「猟奇的な彼女」の中にいくつかキーワードが有ると思うのだが、これは「運命」にあたるシーンだと考える。
何でこんな重要なセリフが入ったシーンを消してしまったのか・・・
何気ないセリフだけど、全体的に通してみると、猟奇的な彼女を楽しむために、相当重要なセリフ物だと思っている。
■ 発見したキーワード「未来」
「猟奇的な彼女」の日本公式HomePage上で、カルトクイズというのをやっていた。
劇中にUFOが出るシーンが有るがどこだろう?
はぁ?そんなシーンあったかな・・・
私はそのクイズを見て、また「猟奇的な彼女」を見返してみた。
だけど、どうしてもそういうシーンが見つからなかった。
クイズの締め切りが過ぎたら、答えが出るのだろうと思っていたのだが、「答えは映画を見て確かめて下さい」と書いて有る。
もしかして、日本で公開するフィルムに付け加えられたのだろうと思っていたので、日本語版DVDを見ながらもう一度確認してみた。
だけど結局見つからなかった。
ところが、日本語版DVDのおまけに「クイズの答え」が入っていたのだ!
うぉお〜〜、確かに飛んでる・・・
そればかりか、「彼女」は劇中でUFOを確認しているではないか!
UFOが消える瞬間「シュン!」という効果音まで入っている。
なるほどね〜。
彼女はUFOを見た後、ある行動をとるのだが・・・
悔しいことにそのシーンもカットされてる!
むき〜〜!!
物語の中で、UFOは未来を表す重要なアイテムなのだ。
■ 知らなかったキーワード「偶然」
日本語版DVDのおまけの中に、監督が語った制作秘話が有る。
「この映画のキーワードは偶然だ。」
たしかにその文章を読んで、今まで何度となく見ていた「あるシーンの謎」が解けた。
何気ないセリフの中や、見落としてしまうアイデアと小道具がちりばめられていたんだなぁ。
結局その「偶然」と言うのは、もう一つのキーワードである「運命」に直結しているのだ。
この話は別のコンテンツでも紹介するつもりである。
■ BGMと挿入歌
劇中で使われていたBGMが数ヶ所、韓国版と変わっていた。
日本公開版が悪いと言う訳ではないが、原曲の方がさわやかで良かったと思っている。
シーンをカットするために消されてしまった曲も有る。(学生服に着替えて飲み屋に行くシーン)
個人的に好きなシーンなので、ちょっともったいなかったと思う。
あと、シンスンフンが歌う劇中歌「I Believe」をF.O.Hというグループが日本語でカバーしたと言うニュースを聞いた。
私はてっきり日本語版劇中歌はF.O.Hが歌うものだと思っていたのだが、結局最後まで曲は流れない。
何ナノ?それ?
何のためにあんな宣伝したの?
意味ないじゃん!という感じ
F.O.Hが歌う「I Believe」だが、ボーカルがシンスンフンの声の質と似てて驚いた。
歌詞は完全オリジナルで、心地よい響きの単語を並べてるけど、なぜか心に響かない。
それでも、劇中にはF.O.Hの「I Believe」を流したほうが良かったかも知れない。
■ 映像特典
日本版「猟奇的な彼女DVD」には映像特典がついている。
その中には韓国版「猟奇的な彼女DVD」にも収録されていないシーンも入っている。
これが結構笑える。
DVDを編集できたら、この未公開シーンを繋ぎ合わせたい気分だ。
■ 四度「猟奇的な彼女」はいつ?
米国の映画監督スティーブン・スピルバーグが「猟奇的な彼女」のリメイク権を取得したというニュースがあるが、はたしてどうなるかである。
アメリカ人の超美人女優さんと、情けない三枚目俳優が出てきて、同じことやったとしても、舞台が米国だったら通用しない部分がたくさんあるでしょうに。
でもやっぱりぜひ一度は見て、評価をしたいものだ。
<03/07/27>
Copyright © 1998- "Senkyousi", All Rights Reserved.
E-Mail : na_neun_seon_gyo_sa@hotmail.com