105 勉強する時間

 語学をある程度継続してやっていると、最初のころは何とも思わなかったことに対して、素朴な疑問が湧いて来る時がある。
 例えば下のような、韓国語の入門者がすぐにでも使いたくなりそうな文を翻訳してみましょう。

  

     
私は 韓国語を 勉強して います

 韓国語は日本語と同様、主語、述語の語順がほぼ同じであるだけでなく、「てにをは」にあたる助詞も存在するので、この程度の文章なら、機械的に単語を当てはめて行けば、文章が完成する。
 ちょっと引っ掛かることが有った。
 勉強という単語を、日韓辞書で引いてみると、韓国語の「勉強」を表す単語は「工夫」だという。
 「勉強」という漢字の韓国語読みでは無いということだ。
 日本語で「工夫」と言うのは「いろいろ試行錯誤して物を作る」だとか言う意味だと思うのだが、逆に韓国語で「工夫する」を表す単語は「研究する」とか「考案する」という、別の漢字語が当てはめられている。
 日本語と違う韓国の漢字語は数多く有って、私のホームページの中にもいくつか発見できるので、ご覧になっていただきたい。(「31 恋愛便紙」など)

 元々漢字というのは中国から伝来してきた文字である。
 ただ、日本の漢字の中には、日本で考案された漢字も数多く有ると聞くので、勉強という日本の漢字語が出来たのには別の背景があるのだろうと想像がつく。
 韓国も中国の文化を強く受けている国なので、「工夫」が「勉強」を表しているのはきっと中国語から端を発しているのだろうと思った。

 そこで中国語が出来る友人に「中国語で勉強するとはどう表すか」「工夫にはどんな意味があるのか」と聞いてみると、意外な答えが帰ってきた。

 中国語で勉強を表す単語は「学習」だという。
 これはまぁ、納得できた。
 ところが「工夫」には「時間・暇」の様な意味があるそうだ。

 例えばデートの予定を決めようとしたとき、「週末工夫有る?」と言うように使う。
 韓国語独自の漢字文化が有るという事なのだろう。

 小耳に挟んだ程度の話なので、ちょっと正確ではないかも知れないが、こんな話が有る。
 中国には「朝鮮族」という中国に住んでいるが韓国語・朝鮮語を使う民族がいる。
 私の習った韓国人の先生が、中国朝鮮族と話をしたら、時々意味不明の単語を使っているので、意味を聞き返したという。
 どうも、中国朝鮮族が使う言葉の中には、中国語の単語が混じってしまっていると言う話しだ。
 多分、今回の話題に上げたように、中国朝鮮族が使う単語の中には、「学習」=「勉強」=「工夫」のような、ところ変われば言葉が変わると言うような、文化背景が関わってきているのだろう。

 日本人が漢字の韓国読みを覚えるのは少しコツがいる。
 ところが中国語を勉強した日本人が韓国語を勉強すると、意外なことにかなり簡単に想像できるという面白い話を聞いたことも有る。
 中国語の勉強もやりたいが、もう少し韓国語が出来るようになってからにしようと考えている。(^_^ゞ

 言語というのは常に変化する生物みたいな物だという。
 同じ漢字語を使う国、同じ言葉を話す民族でさえ、数十年、数百年の内に変化(方言化)するという事だ。

 私は現在、「工夫が有る時」韓国語学校に行って「工夫している」が、仕事が忙しくて、以前のように「工夫する工夫が無い」・・・意味不明(^_^ゞ

<02/12/07>

Copyright © 1998- "Senkyousi", All Rights Reserved.
E-Mail : na_neun_seon_gyo_sa@hotmail.com

戻る