馬鹿女

 今日は都議会議員選挙。
 朝早く起きて、ハングル講座をはじめとした今週1週間の間に録画されたビデオをチェックして、うだうだしていたらまた眠くなってしまう。
 結局午後2時頃まで昼寝してから選挙に行った。
 選挙が終わったら、その足で秋葉原に買い出しに行こうかと、定期までもって出たのだが、もの凄くだるかったのでそのまま家に帰る事にした。
 その帰り道、ふと家の近くにある小さな図書館のようなところに立ち寄った。


 本当に家の近くに有るのに、中に入るのは数年ぶりだろうか…
 韓国語に関する書籍などがおいていないかと、本棚を見渡したが、スペース的な問題も有るのだろう。
 新刊本などほとんど入っておらず、おそらく住民などから寄付された本がずらりと並んでいるばかり。
 十数年前に発行された韓国旅行の本が1冊おいてあるのみ。
 ふと、漫画コーナーを見ると「裸足の元」が並んでいた。
 原爆の体験記を綴った、腐朽の名作だ。
 すぐ家に帰るつもりだったのだが、おもわず1巻から読み始めてしまった。
 4時くらいだったろうか?
 急に図書室の電気が「バチ!バチ!」と消された。
 私は窓際のいすに座っていたので、本を読むのに支障はなかったのだが、顔を上げると、茶髪にロンゲ、白いジャージを着た中学生風の女が立っていた。
 「あ!すいません」私がいる事に気づいたようだ。
 私は「もう閉館ですか?」と聞いたところ「いや、そうじゃないです…」
 じゃ?なんで電気を付けないのだ?
 まぁ、本を読むには支障無いけど…
 そう思っていたら、その女はおもむろに窓際の居住座ったかと思うと、カーテンを頭からかぶってグーグー居眠りを始めた。
 なんだ、ここに来たのは自分が寝る為だった訳か!
 まぁ、自分には関係無いからいいけど。
 ひたすら「裸足の元」を読んでいると、その女の携帯がけたたましくなり始めた。
 「着歌」ってやつかな?
 確かにいい音だね…………って、それだけ大音量で鳴っているのに起きないの?
 2分くらい大音量の「着歌」が流れているのにまったく、その女は微動だにしない。
 僕は漫画を読むのに集中しているから、その程度の音ではびくともしないが、ちょっと異常だな。
 30分くらい、3種類のけたたましい「着歌」が鳴り響いたあと、その女は遂に観念したかのように、電話に出た。
 女はよっぽど眠かったらしく、電話を耳に持って行くのが面倒だったらしい。
 ハンズフリーで話し始めた。
 当然、相手の声も大音量で図書室に響き渡る。
 まったく、こういう馬鹿女にこそ「裸足の元」を読んでもらいたいものである。