教材CDを作ろう

2002年12月5日 / コラム, コンピュータ

■ テープ教材の憂鬱

 語学の勉強には「読む」「書く」「聞く」「話す」と言う大きく分けて4つのジャンルが有ると思う。
 どんなに丁寧に作られた教科書を使ったとしても、独学で勉強しようとしたら、耳で聞く教材が有ったほうが語学学習の効果は上がると思う。

 外国人向けの教科書には大抵、耳で覚えるための視聴覚教材が別売りで販売されていて、つい最近まで「カセットテープ」で供給されていた。
 今どきなぜCDで無いのか?と思いたくなるのだが、日本の語学学習入門の定番である「NHK語学講座」も、平成12年の4月以降にやっとのことでCD教材が発売された訳で、カセットテープを使って学習をする人がそれだけ多かったということだろう。


 おとなりの韓国では、最新の歌謡曲であってもカセットテープ版が売られていて、CD一枚が1,000円だとすると、カセットテープ版は700円位だから、お買得感があるのかもしれないし、まだまだカセットテープが無くなるほどCDが普及していないと言えるのかも知れない。

■ テープ教材のCD化の意義

 CDの便利なところは、聞きたいと思うセンテンスにあっと言う間に移動でき、また直ぐに頭に戻って繰り返し学習することが出来る点だ。
 テープだとカウンターを使えば有る程度の目星をつけて「探し当てる」ことは可能だと思うが、また元に戻ってセンテンスを繰り替えそうと思ったら、キュルキュルテープを巻き戻さないといけないし、そう言うことを繰り返していると、テープが傷んで、最悪テープが切れて使い物にならなくなってしまうことさえ有るかもしれない。
 やっぱり学習にはCDがよろしいようで。

■ パソコンを使ったテープ音源のCD化

 私の周りで「カセットテープの音源をCDにする方法を教えて欲しい」という話し出たので、そのやり方を説明したいと思う。
 とにかくまず、パソコンに音声を取り込まなければならない。

 最近のパソコンの多くには「マイク端子」が付いていて、ここから音声を入力させ、録音させれば良いわけだが、実際「マイク端子」が付いているパソコンであっても、音声を録音するための「ソフト」が付属されているとは限らない。
 シェアウエアー(小額の金額を払うソフト)や、フリーウエアー(無料のソフト)がInternet上に沢山有ると思うが、痒いところに手が届くようなソフトや、細かい説明書がついた市販のソフトを購入する方法も有るので、自分の用途に合ったソフトを選んでもらいたい。

 今回は、ビデオ編集ソフト「Adobe Premiere」を使ったCD作成方法を書いているが、先に書いたように同じことが出来れば高額なソフトを購入する必要はないのでご了承願いたい。

 パソコンにカセットテープレコーダーを繋ぎ、カセットテープレコーダーの方で音量を調節する。
 実際何度か音声を取り込んで見て、音量の強弱を調節する。
 取り込みソフトの方で入力を調節できる物も有るので、ソフトの説明書を熟読してもらいたい。
 取り込む音声ファイルの形式は色々有るが、CDの音声と全く同じ形式である「44.1kHz 16ビットステレオ」を選択しておけば、そのファイルを使って音楽CDが簡単に作ることが出来る。


オーディオキャプチャーを選んで


録音ボタンを押して、録音を開始する。

 そして、テープ一本が終わるまで、じっと我慢する(^_^ゞ
 一冊の教科書には10本近くのカセットテープがついてくることもあるし、一番時間のかかるところだが、この工程をはしょることが出来ないのでじっと我慢するしかないのだ。
 食パンを食べるとき、パンの耳を最初に食べてしまえば、後は白くて柔らかいパンにありつけるという寸法だ(^_^ゞ
 
 この時気を付けてもらいたいことは、録音が終了するまで、パソコンを「スリープ」させないように、設定をしておくことだ。
 私もたまにしかこういう事をやらないので、最初数時間を無駄にしてしまった。
 録音ソフトが動いてれば、スリープしないだろうと考えたのだが、例え録音ソフトが仕事をしていても、パソコンの方はそのように判断しないことが有るので、最初はよく注意して観察していないといけないだろう(^_^ゞ

 さて、録音が終了して、とても巨大な音声ファイルがパソコンの中に出来たわけだが、このファイルをそのままCDにしても、カセットテープと同じで意味がない。
 ここからが今回の話しの真骨頂!
 ファイルの切り刻みを行なう。
 私が「Adobe Premiere」を使っているのには少し訳が有る。
 音声ファイルを「波形表示」できるので、音声の始まりが見つけやすい。
 それに、音声の始まりと終わりが見つけやすいと、ワンセンテンス全て聞く必要がないので、その分の作業時間を短縮する事が出来る。

 教科書の項目に添って、必要なセンテンスの頭だしと、終わりの部分を探す。
 第●課の本文だとか、類型練習だとか、後は自分のセンスで必要なファイルに切り分けてゆく。
 後は根気です(^_^ゞ
(以前作業した遠征大学のテープは、非常に密度が高く、テープ一本を約100個に切り刻みました(^_^ゞ)


必要なワンセンテンスの始まりと終わりを指定してやって・・・


一個のファイルとして出力させる


ファイルネームは順番が判るように、頭に数字を付けると分かり易い。

■ CDへのコピー

 切り刻み作業が終了したら、後はCD-Rで音楽CDを作成すればOK!
 もう一つ踏み込んで、MP3音源に変換すれば、カセットテープ10数本を一枚のCDにすることも出来るし自由自在だ。
 同じ方法で、映画のセリフを取り込んで、繰り返し聞くようにするれば、素晴らしい教材が出来るだろう。
 後は勉強有るのみ!

<02/12/05>

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