YMCA野球団

2006年1月9日 / コラム


 馬鹿みたいに集めたは良いが、全然見ないでほっぽらかしていた韓国映画のDVDがかなりある。
 昨日、ひょんなことで見始めたら面白い面白い。
 今日も一人映画祭である。
 今日見たのは「YMCA野球団」


 朝鮮総統府が朝鮮半島の実権を握った1900年初頭。
 良くも悪くも朝鮮半島が変わらなければならなかったこの時代に、初めて結成された野球団の物語。
 主人公は「シュリ」や「JSA」「殺人の追憶」でシリアスな演技を見せた「ソン・ガンホ」。
 ひょんなことから、可愛い女の子に誘われて野球を始めたのだが、野球など、見るのもやるのも初めてのことばかりだからしっちゃか、めっちゃかだ。
 おそらく、実際この映画に出てきたような感じだったに違いない。
 次第に強くなってゆくチームだが、時代はきな臭い空気に変わってくる。
 日本が本格的に朝鮮半島を支配下に置こうとし始めたのだ。
 時代に翻弄されながら、スポーツとしての野球を続けようとする彼らの前に、日本軍の野球チームが現れる。
 はたして朝鮮最初にして最強のチームは、日本軍相手に勝つことができるだろうか?!
 なんてお話かな。
 話は単純明快で、表面的にはソン・ガンホ演じる主人公が、映画の雰囲気を明るく楽しく盛り上げてくれるものの、歴史的背景は意外に奥深い。
 そして野球の舞台をこの時代に持ってきたことによって、今までに見たことのない味のある映画になったと思う。
 当時の朝鮮半島は日本軍に「侵略?」されたわけで、せめて野球くらい勝ちたいと思いながらも、相手は「30年前」から野球をやっている日本。
 勝てるはずはない。
 単なるスポーツのはずの野球だが、このレベルの差が当時の日本と朝鮮の立場を象徴しているかのようだった。
 お話は結構ハッピーエンドに近い終わり方をするのだが、果たしてこれを見た韓国の人たちはどう思ったのだろうか?
 日本軍のチームはフェアにプレーを進めていたけど、これをもっとイヤラシク、汚い手まで使ってYMCA野球団を叩きのめすという表現もできただろう。
 いや、そういう汚い表現を使ってもらいたかったという意味ではないのだが、もう少し試合のシーンにひとひねり入れたほうが盛り上がったような気がする。
 
 この映画の邦題は「爆裂野球団」というらしい…
 なんだこのふざけたネーミングは?!
 韓国映画を馬鹿にしているのか?!とちょっぴり腹立たしくなった。
 さて、リスニング教材としての評価だが、言葉は比較的ゆっくり目だが、時代設定が100年前ということで、若干古臭い言葉を使っているため、ちょっと分からない単語が多かった。
 今回見たのは日本で発売されたものなので、字幕にハングルは出ないため、ちょっと聞き取れなかった単語を調べるのはやっかいでしょう。
——
 実はもう一本映画を見たのだが、解説・感想は明日以降にします。
 非常にオーソドックスな「韓流」映画でしたが、涙が出ました(^^;
晴れ一時雨

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