電話が怖い
2006年3月6日 / コラム
お使いから帰ってくるなり、上司から韓国人のお客さんへ電話をかけてくれと言われた。
そのお客さんは、片言の日本語が出来るのだが、母国語でないとうまく気持ちを伝えられないから、韓国語が出来る人間に替わってくれと言ってきたらしい。
上司からは、こちらからこれとこれを用意してくれば大丈夫だからと伝えてくれれば良いということだったが…
上司が電話をかけ、私が電話に出る。
여보세요(ヨボセヨ)!
電話に出ると、どうもこちらからの要望がどうのこうのいうより、取引上の不安があるということらしい。
そういわれても、こんな単純な取引であやをつけられても困ってしまう。
ところが相手は携帯電話を使っているらしく、頻繁に声が小さくなったりとぎれとぎれになる。
勘弁してくれよ~。
電話でのやり取りは手軽である反面、携帯電話の通話状態が悪くなると話が通じなくなる。
しかたがないので、聞き取れた単語単語をつなぎ合わせて「こういうことを言いたいのでしょうか?」と再確認する。
まぁ、聞き取りづらくなった部分はさほど重要なことではなく、先方の愚痴のようなものだったから半分以上は相槌だけで良いとわかっているのですがね。
相手が目の前にいれば表情や仕草で伝わることでも、電話となると話が違う。
特に今回のように、相手が携帯電話の場合、通話状態で言葉自体が聞こえない、部分的な単語が聞こえないという状況は、非常にストレスになるんですよね
そして、もっと問題なのが自分の精神状態だ。
凄く滅入っている時には、韓国語自体しゃべりたくない。
だけど、韓国語が出来る人間は事務所に自分しかいないのだ。
昨日振られたので韓国語しゃべりたくありません!
なんてことは言えませんからね。(ものの例えです(ToT))
本当に心臓がドキドキして、手に汗がにじみ、「頼む!出ないでくれ!」と祈っている自分がいる。
だけど、そういう逆境時こそ本当の実力が試されている。
普段の数十パーセント程度の力しか出せないときにでも、無難にやり取りできないといけない。
そう自分に言い聞かせているものの、やはりなかなか実力は一朝一夕には伸びるものではありません。
ずいぶん前の話であるが、かなり深酒をして家に帰ってきたら、突然「いまお前しか韓国語が出来る人間がいないから、とりあえず先方に電話をかけてくれ!」と言われたことがある。
不思議なもので、酒に酔っていると普段縮こまっていた心がおおらかになり、意外と相手の言葉も聞こえるし、口から韓国語が出てくるのだ。
おそらく日本語でものを考えるという部分が、アルコールでおかしくなっているからそうなったのであろう。
口からでまかせかもしれないが、とにかく自信を持って(いやはったりです)言いたいことだけ伝えると、相手も必死になって聞いてくれるものである。
このやり取りが終わった後、電話を切って上司に連絡をする。
こうこう、こういうことなので、こういう風に伝えました。
そして、ついさっき自分が話した韓国語を思い返してみる。
めちゃくちゃだ!
いつの間にかアルコールが切れている。
そう思った瞬間、もの凄い緊張と恐怖心に教われた。
緊張で手が震えてきた。
早く、一刻も早くこの場から立ち去りたい!
って、馬鹿!俺は自分の家にいるんだろ!
———-
そんなこともあって、一時は「韓国語を流暢に話したければ酒を飲んだ方が良い」と思っていたことがある。
ところが過度の飲酒は、これまた逆効果になる。
二日酔いは更に最悪である(。☆)\(-_-#)
ここ二三日、精神的に不安定だったのですが、今日の電話通訳は無難にやりとりできてほっとしております。
ほんと、電話は怖いです…
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