イチロー談義

　簡単な手続きが終わった後、韓国から来たお客さんと雑談になった。
　一応通訳のつもりで来たものの、この方に通訳は必要が無い。
　上司が先日の野球の話をふったところ、お客さんは流暢な日本語でこう語った。
ぶっちゃけ、イチローもの凄く頭くるんですよね。

　例のWBCで韓国が日本に負けたことが、よっぽど悔しいのだろう。
　はじめはそう思っていたのだが、単純にイチロー選手の言ったことに対して腹を立てている訳では無いことが分かった。
　その方は、日本語の勉強を全くしないで日本に留学し、「少年ジャンプ」を教科書に日本語をマスターしたという日本通。
　本人もおっしゃっていたが、悪い言葉から覚え始めたので、最初は「どこでそんな言葉覚えたんだ！」と怒られたとか…
　野球に関しても私より数段知識があるようだ。
　イチロー選手は自分の記念館を作ったが、入場料を取っている。
　一方松井選手も記念館を持っているが、入場料は取っていない。
　イチロー選手は父親と仲が悪い。
　一方松井選手は父親ともうまくやっている。
　自分の親とも仲良くやれない奴が何言ってやがるんだ！（本当にこんな感じの日本語を話す方である。）
　去年松井選手はもの凄く注目されて、イチローの陰が薄くなったでしょ。
　だから目立つために日本代表でがんばったんですよ。
　結局、イチローは日本のためだとか言っているけど、本当は自分のためにやっているじゃないんですか？
　こういうこと知っていなかったら、何も感じなかったですけどね。
　なるほどね。
　儒教思想の強い国の方のご意見である。
　確かに、イチロー選手の発言は自分を高めるために言っている部分もあるけど、特に韓国チームに対する敵対心は間違いなくあったとおもうしね…
　これは一理あるかも知れないなと思いました。
のち